夏だ!
暑いが、俺達は元気だ。
元気でなかったら、こんな仕事は務まらない。
最近、森の入り口に竜の子供が出没するという。
竜は人を食う。危ないので、何とかしろという依頼だ。
俺は精霊使いである。
万物には、精霊という目に見えない(俺には見えるが)存在が宿っている。
精霊というのは、ものすごく簡単に言えば神と人の中間のようなものである。
彼らの手を借りれば、色々と「不思議」な現象が起こせる。
魔獣だって倒せる力になるのだ。
間違いのないように言っておくが、俺は精霊を「手段や道具」などとは少っしも思っていない。
俺は精霊を愛している。
「出たぞ!」
仲間が竜の姿を認めたようだ。
7人が陣形を作る。
遠くから弓を射る。
魔法使いが、「氣」の塊をその体にぶつける。
俺はというと、火の魔法を使うために精霊を呼び起こす。
「やっちゃって♪」
俺の合図で、竜は炎に包まれる。
甲高い鳴き声が響く。
竜の反撃。
炎の吐息だ。
「だから暑いっつーの。火はやめようぜー」
竜は大分弱っている。あまりその反撃にも威力がない。
大勢は決まった。仲間の剣士達が、止めを刺しに竜に迫る。
その刹那、
背中にピリッとした感覚が走った。
「よくも」
「 よくも 私の娘 を 」
辺りが急に暗くなった。
「上!」
「死角をとられた!?」
見上げると、バカでかい竜が翼を広げている。
「竜王!?」
俺のパートナー、妖精エルフであるリリィが呟いた。
あれが竜王だとしたら、俺たちに明日は無い。絶望だ。
竜は浮遊したまま首を少し反らした。
ヤバイ!
そう直感した俺は考えられる限り全ての力を使って仲間を守ろうとした。
竜王の吐く息は、鋼鉄をも一瞬でサラサラに融かす。
「竜王」は俺達に向けて、激しくブレスを吹付けた!
全ての精霊よ!
・ ・
俺達は赤茶けた土の上に寝転んでいた。
竜王の野郎…
そこに竜の姿はない。
この世界を司る精霊がそこにいた。
火 水 風 土 樹 雷
あれ? 一体足りない。
風のリリィが俺を指して言った。
「光…」
さっ、反撃だ^^
* * *
「第23回文章塾という踊り場」お題「七月」への投稿作品です。〆切は、2008年7月16日でした。
塾生の皆さんから寄せられたコメントと、それに対する僕のレスはこちらから。
暑いが、俺達は元気だ。
元気でなかったら、こんな仕事は務まらない。
最近、森の入り口に竜の子供が出没するという。
竜は人を食う。危ないので、何とかしろという依頼だ。
俺は精霊使いである。
万物には、精霊という目に見えない(俺には見えるが)存在が宿っている。
精霊というのは、ものすごく簡単に言えば神と人の中間のようなものである。
彼らの手を借りれば、色々と「不思議」な現象が起こせる。
魔獣だって倒せる力になるのだ。
間違いのないように言っておくが、俺は精霊を「手段や道具」などとは少っしも思っていない。
俺は精霊を愛している。
「出たぞ!」
仲間が竜の姿を認めたようだ。
7人が陣形を作る。
遠くから弓を射る。
魔法使いが、「氣」の塊をその体にぶつける。
俺はというと、火の魔法を使うために精霊を呼び起こす。
「やっちゃって♪」
俺の合図で、竜は炎に包まれる。
甲高い鳴き声が響く。
竜の反撃。
炎の吐息だ。
「だから暑いっつーの。火はやめようぜー」
竜は大分弱っている。あまりその反撃にも威力がない。
大勢は決まった。仲間の剣士達が、止めを刺しに竜に迫る。
その刹那、
背中にピリッとした感覚が走った。
「よくも」
「 よくも 私の娘 を 」
辺りが急に暗くなった。
「上!」
「死角をとられた!?」
見上げると、バカでかい竜が翼を広げている。
「竜王!?」
俺のパートナー、妖精エルフであるリリィが呟いた。
あれが竜王だとしたら、俺たちに明日は無い。絶望だ。
竜は浮遊したまま首を少し反らした。
ヤバイ!
そう直感した俺は考えられる限り全ての力を使って仲間を守ろうとした。
竜王の吐く息は、鋼鉄をも一瞬でサラサラに融かす。
「竜王」は俺達に向けて、激しくブレスを吹付けた!
全ての精霊よ!
・ ・
俺達は赤茶けた土の上に寝転んでいた。
竜王の野郎…
そこに竜の姿はない。
この世界を司る精霊がそこにいた。
火 水 風 土 樹 雷
あれ? 一体足りない。
風のリリィが俺を指して言った。
「光…」
さっ、反撃だ^^
* * *
「第23回文章塾という踊り場」お題「七月」への投稿作品です。〆切は、2008年7月16日でした。
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