慌てて、走っていた。
「遅れる。遅れる」
守るべき時間は、とっくに過ぎていた。太郎は、とても焦っていた。
「このまま到着したら、待ちくたびれた次郎が怒って、私を張り倒すかも知れない!!」
太郎の体に戦慄が走った。そこで太郎は気が付いた。遅れた理由を、考えなければならない。
そうだ……何か乗り越えなければならない、ミッションをこなしていたことにしよう!! 次郎の想像を超えた、限りなく困難な課題を克服したならば、次郎は許してくれるに違いない。
そこで太郎は、その場所からでんぐり返しを始めた。このままでんぐり続けて次郎の元まで辿り着けば、次郎は驚いて私を張り倒すことも忘れてしまうだろう。
「がんばるんば!!」
太郎は気合を入れて、自分に与えられたミッションの遂行を開始した。
そして相当な時間が経ち、太郎は次郎の前に、文字通り転がり込んだ。
「お兄さん……」
弟は、兄の身を案じていた。次郎は、少しも怒っていなかった。
達成感で一杯の表情の太郎は、笑いながら言った。
「凄いだろ。兄さんは、ずっと転がりながらここまで来たんだぞ。少しも歩かなかったぞ」
「そうか。凄いね」
そう言う次郎の表情に、少しの憂いが浮かんでいたのを、兄は見過ごした。
「遅れる。遅れる」
守るべき時間は、とっくに過ぎていた。太郎は、とても焦っていた。
「このまま到着したら、待ちくたびれた次郎が怒って、私を張り倒すかも知れない!!」
太郎の体に戦慄が走った。そこで太郎は気が付いた。遅れた理由を、考えなければならない。
そうだ……何か乗り越えなければならない、ミッションをこなしていたことにしよう!! 次郎の想像を超えた、限りなく困難な課題を克服したならば、次郎は許してくれるに違いない。
そこで太郎は、その場所からでんぐり返しを始めた。このままでんぐり続けて次郎の元まで辿り着けば、次郎は驚いて私を張り倒すことも忘れてしまうだろう。
「がんばるんば!!」
太郎は気合を入れて、自分に与えられたミッションの遂行を開始した。
そして相当な時間が経ち、太郎は次郎の前に、文字通り転がり込んだ。
「お兄さん……」
弟は、兄の身を案じていた。次郎は、少しも怒っていなかった。
達成感で一杯の表情の太郎は、笑いながら言った。
「凄いだろ。兄さんは、ずっと転がりながらここまで来たんだぞ。少しも歩かなかったぞ」
「そうか。凄いね」
そう言う次郎の表情に、少しの憂いが浮かんでいたのを、兄は見過ごした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます