昨年11月に起こった「渋谷ホームレス殺人事件」の被害者の
人生を追ったNHKのドキュメンタリー、この事件を覚えてるか
たも多いかと思うが、あらためて人間の人生は最後までわから
ないということを痛感した。
渋谷区のバス停の小さなベンチで夜をすごしていたホームレス
だった64歳の女性、近隣に住む46歳の男性から突然,石の
入った袋で殴られて命を落とした、「自分の家の近くにホーム
レスがいるのが目障りだった」という犯人の男性、なんとも許
しがたい犯罪である。
NHK記者の記事によると、この女性は広島県出身で短大卒業後
はアナウンサーを目指し結婚式の司会業をするかたわら舞台俳
す優を目指す活発で前向きだった評判の女性、27歳のときに
結婚、順風満帆の人生かと思われたが夫の暴力にあい、わずか
1年余りで離婚、そこからが暗転、いろんな仕事をしていたが
リーマンショックなどもあり、ネットカフェ生活を経てホーム
レスになったと推測される、最後のころ、スーパーの試食販売
で生活費を得ていた彼女は、コロナで試食販売が中止されると
仕事を失い、夜はバス停のベンチで休むしかなかった。
誰にも迷惑をかけずひっそりと夜を明かした生活をしていた彼
女、亡くなったときの所持金は、わずか8円(5円玉1枚、1
円玉3枚)だった、家族にも行政にも(生活保護の申請)周囲
の誰にも最後まで助けを求めなかった、それにしてもこの悲惨
な事件、彼女は何を思っていたのだろうか?きっとこんなはず
ではなかったのにと思ったのでは?なんともやりきれない事件
だ。