
半夏生饒舌の悔い残りけり 松本晶子
饒舌のあとの虚しさ
そして後悔
おりからの半夏生の雨には毒もあるとか
悔恨はふかまるばかりの夜道のようだ
(小林たけし)
【半夏生】 はんげしょう(・・シヤウ)
◇「半夏」 ◇「半夏雨」(はんげあめ)
七十二節気の1つで、夏至から11日目、陽暦の7月2日頃に当る。この頃に半夏(和名:からすびしゃく)という毒草が生えるとされる。この日の雨を半夏雨といい、大雨になると言われている。一般に田植が終る時期として、各地で主に農事に関する様々な風習が見られる。
例句 作者
半夏生雀にまじる鶸ひとつ 青野きみ
カレーに火通してをりぬ半夏生 仁平 勝
火を焚きて火の色見えず半夏生 佐々木 咲
起きぬけの顔の白しや半夏生 舘岡沙緻
長旅の家路近づく半夏生 吉田孤羊
おとろへていよよ狷介半夏生 富田直治
大棚に生薬ならぶ半夏かな 天野初枝
ぼんやりと亀の浮きたる半夏かな 村井美意子
例句 作者
どしやぶりの鳥かごを持つ半夏生 宮本佳世乃
ビル街に水の流れや半夏生 山本京子
何にでも蓋する暮し半夏生 玉木祐
半夏生ゴッホ展出てよりの難聴 米倉初音
半夏生五体の一つ不満足 小野淳子(海程・林苑)
半夏生狐が眉をひきはじむ 畠淑子
半夏生鰭長き魚切らるるよ 栗林千津
失禁の夢に泣く半夏生 山内俳子洞
どしやぶりの鳥かごを持つ半夏生 宮本佳世乃
ビル街に水の流れや半夏生 山本京子
何にでも蓋する暮し半夏生 玉木祐
半夏生ゴッホ展出てよりの難聴 米倉初音
半夏生五体の一つ不満足 小野淳子(海程・林苑)
半夏生狐が眉をひきはじむ 畠淑子
半夏生鰭長き魚切らるるよ 栗林千津
失禁の夢に泣く半夏生 山内俳子洞