
大の字を裸で作る冥利かな 森貞夫
幼年期を過ぎての裸体は人目をはばかるのが普通だが
掲句の作者はそれも大の字になっているという
おそらくはと素っ裸を想像する
天井を仰いで
これ以上ない「冥利」を貪っている
(小林たけし)
【裸】 はだか
◇「素裸」(すはだか) ◇「丸裸」 ◇「赤裸」 ◇「裸身」(らしん) ◇「裸子」(はだかご)
暑さのため衣服を脱ぎ、全身の肌を露わにしていること。季語としての「はだか」は、暑さを凌ぐためになる裸を指す。赤裸。丸裸。
例句 作者
いつも今なり鏡中のわが裸 佐藤洋子(好日)
いつも断崖おんおん裸身みがくなり 岸本マチ子
まら振り洗う裸海上労働済む 金子兜太
わが裸草木蟲魚幽(くら)くあり 藤田湘子
丸裸どんどん空を持ってこい 宮崎斗士
伸びる肉ちぢまる肉や稼ぐ裸 中村草田男
全裸なり波ひたひたと寄る術後 対馬康子
午前充つ午後はだか寐す誕生日 古沢太穂
地にあれば裸十字のKewpieよ 木村聡雄
墓を彫る陽にくすぐられ若い裸 隈治人
壕に寝しひと夜の裸身拭きに拭く 金子兜太
いつも今なり鏡中のわが裸 佐藤洋子(好日)
いつも断崖おんおん裸身みがくなり 岸本マチ子
まら振り洗う裸海上労働済む 金子兜太
わが裸草木蟲魚幽(くら)くあり 藤田湘子
丸裸どんどん空を持ってこい 宮崎斗士
伸びる肉ちぢまる肉や稼ぐ裸 中村草田男
全裸なり波ひたひたと寄る術後 対馬康子
午前充つ午後はだか寐す誕生日 古沢太穂
地にあれば裸十字のKewpieよ 木村聡雄
墓を彫る陽にくすぐられ若い裸 隈治人
壕に寝しひと夜の裸身拭きに拭く 金子兜太