竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

大の字を裸で作る冥利かな 森貞夫

2020-07-17 | 今日の季語


大の字を裸で作る冥利かな 森貞夫

幼年期を過ぎての裸体は人目をはばかるのが普通だが
掲句の作者はそれも大の字になっているという
おそらくはと素っ裸を想像する
天井を仰いで
これ以上ない「冥利」を貪っている
(小林たけし)


【裸】 はだか
◇「素裸」(すはだか) ◇「丸裸」 ◇「赤裸」 ◇「裸身」(らしん) ◇「裸子」(はだかご)
暑さのため衣服を脱ぎ、全身の肌を露わにしていること。季語としての「はだか」は、暑さを凌ぐためになる裸を指す。赤裸。丸裸。

例句 作者

いつも今なり鏡中のわが裸 佐藤洋子(好日)
いつも断崖おんおん裸身みがくなり 岸本マチ子
まら振り洗う裸海上労働済む 金子兜太
わが裸草木蟲魚幽(くら)くあり 藤田湘子
丸裸どんどん空を持ってこい 宮崎斗士
伸びる肉ちぢまる肉や稼ぐ裸 中村草田男
全裸なり波ひたひたと寄る術後 対馬康子
午前充つ午後はだか寐す誕生日 古沢太穂
地にあれば裸十字のKewpieよ 木村聡雄
墓を彫る陽にくすぐられ若い裸 隈治人
壕に寝しひと夜の裸身拭きに拭く 金子兜太