
国分尼寺までは螢を灯しゆく 塩野谷仁
国分尼寺は
聖武天皇の勅願によって国分寺とともに国ごとに建てられた尼寺。
法華経を講じさせ、奈良の法華寺を総国分尼寺とした。
蛍を灯しゆく
なんという詩情あふれる措辞だろう
国分尼寺の由来をしればなお更にその想いは深まる
(小林たけし)
【螢】 ほたる
◇「ほうたる」 ◇「源氏螢」 ◇「平家螢」 ◇「螢合戦」 ◇「螢火」 ◇「初螢」 ◇「恋螢」 ◇「朝螢」 ◇「昼螢」 ◇「夕螢」 ◇「雨螢」
ホタル科の甲虫類。普通見るのは源氏蛍や平家蛍。両種類とも、雄、雌、蛹、幼虫、そして卵も光る。蛍の名所を名前にして、宇治蛍、石山蛍などと呼ばれることもある。初夏の闇夜に青白く妖しい光を放ちながら飛んでいる蛍は、夏を代表する風景の1つであろう。
例句 作者
ほうたるの息ほうたるの夏闇より 加古宗也
じやんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子
蛍火に闇の息づく百戸村 沼沢破風
夫(つま)の墓ほたるの墓となりて燃ゆ 中嶋秀子
女身に 身八つ口あり 夕蛍 金田めぐみ
妻の掌のわれより熱し初螢 古沢太穂
安息は蛍袋の中がいい 星野一惠
宿下駄を鳴らし蛍を追ひ行けり 髙畑澄子
少年と少女のむかし蛍来い 原田正子
ほうたるの息ほうたるの夏闇より 加古宗也
じやんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子
蛍火に闇の息づく百戸村 沼沢破風
夫(つま)の墓ほたるの墓となりて燃ゆ 中嶋秀子
女身に 身八つ口あり 夕蛍 金田めぐみ
妻の掌のわれより熱し初螢 古沢太穂
安息は蛍袋の中がいい 星野一惠
宿下駄を鳴らし蛍を追ひ行けり 髙畑澄子
少年と少女のむかし蛍来い 原田正子