竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

国分尼寺までは螢を灯しゆく 塩野谷仁

2020-07-16 | 今日の季語


国分尼寺までは螢を灯しゆく 塩野谷仁

国分尼寺は
聖武天皇の勅願によって国分寺とともに国ごとに建てられた尼寺。
法華経を講じさせ、奈良の法華寺を総国分尼寺とした。

蛍を灯しゆく
なんという詩情あふれる措辞だろう
国分尼寺の由来をしればなお更にその想いは深まる
(小林たけし)


【螢】 ほたる
◇「ほうたる」 ◇「源氏螢」 ◇「平家螢」 ◇「螢合戦」 ◇「螢火」 ◇「初螢」 ◇「恋螢」 ◇「朝螢」 ◇「昼螢」 ◇「夕螢」 ◇「雨螢」
ホタル科の甲虫類。普通見るのは源氏蛍や平家蛍。両種類とも、雄、雌、蛹、幼虫、そして卵も光る。蛍の名所を名前にして、宇治蛍、石山蛍などと呼ばれることもある。初夏の闇夜に青白く妖しい光を放ちながら飛んでいる蛍は、夏を代表する風景の1つであろう。

例句 作者

ほうたるの息ほうたるの夏闇より 加古宗也
じやんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子
蛍火に闇の息づく百戸村 沼沢破風
夫(つま)の墓ほたるの墓となりて燃ゆ 中嶋秀子
女身に 身八つ口あり 夕蛍 金田めぐみ
妻の掌のわれより熱し初螢 古沢太穂
安息は蛍袋の中がいい 星野一惠
宿下駄を鳴らし蛍を追ひ行けり 髙畑澄子
少年と少女のむかし蛍来い 原田正子