竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

ところてんいま一族の腹の中 小菅白藤

2020-07-05 | 今日の季語


ところてんいま一族の腹の中 小菅白藤

一族というのだから家族だけではなく
親戚などもご一緒の景だろうとの思いが浮かぶ
遠忌の集いなのかな
いつも離れている一族が一堂に会して
心太に向かっている
ほのぼのとした空気と心太が
微妙なハーモニーを醸し出している佳句である
(小林たけし)


【心太】 ところてん
◇「心天」(ところてん) ◇「こころぶと」 ◇「こころてん」
天草(てんぐさ)を日に曝し、水に浸して更に干した後、煮溶かして麻袋で漉し、型に入れ冷し固めたもの。四角い棒状に切り出し、心太突きで麺状にしたものに醤油・酢・蜜などをかけて食す。奈良時代から「こころぶと」として記載が見られるが、江戸時代以降には氷屋などで供されて、庶民に広く嗜好されている夏の食べ物。寒天からも作る。

例句 心太

おもざしの風にあふれてところてん 松澤昭
くみおきて水に木の香や心太 髙田正子
くらやみの喉をとほりぬところてん 神生彩史
ところてん煙のごとく沈みをり 日野草城
ところ天一気に押して父となる 吐田文夫
ひるすぎの町音にゐて心太 桂信子
みんな死ぬ暗黒映画ところてん 鈴木砂紅
ネガティブな六区界隈心太 倉持淑子
九分通り肩書はづす心太 田口佐江