
おとがひの上にくちびる夏帽子 石倉夏生
おとがいは
1 下あご。あご。
2 減らず口。また、減らず口をたたくこと。また、そのさま。
「えらい―なわろぢゃ」〈滑・膝栗毛・七〉
とある
掲句は頤、くちびる、夏帽子と視線を転じる動きを詠んだもの
この視線の動きが巧みに詠まれ
夏帽子の主人公を読者に想像させる
そしてその主人公と作者のドラマまでもを・・・・
(小林たけし)
【夏帽子】 なつぼうし
◇「夏帽」 ◇「麦稈帽子」(むぎわらぼうし) ◇「パナマ帽」
夏用の帽子の総称。「麦藁帽」を代表として、日差しを防ぐ目的から鍔の広い物が多い。
例句 作者
かくれんぼ少し覗ける夏帽子 幸田清子
かぶるたびにとられる麦藁帽原爆の記憶 福富健男
しなやかに夏帽子ゆく杉の谿 櫻井博道
それぞれの空持ち寄りて夏帽子 藤田敦子
ただ波を見ているだけの夏帽子 保坂末子
やさしさのすり減つてゆく夏帽子 野木桃花
わが夏帽どこまで転べども故郷 寺山修司
わさび畑見学に来し夏帽子 井口公子
カシニョールの夏帽子来る浜通り 室生幸太郎
ヒロシマに消えに行くため夏帽子 室生幸太郎
ヒロシマの影がかぶさる夏帽子 室生幸太郎
かくれんぼ少し覗ける夏帽子 幸田清子
かぶるたびにとられる麦藁帽原爆の記憶 福富健男
しなやかに夏帽子ゆく杉の谿 櫻井博道
それぞれの空持ち寄りて夏帽子 藤田敦子
ただ波を見ているだけの夏帽子 保坂末子
やさしさのすり減つてゆく夏帽子 野木桃花
わが夏帽どこまで転べども故郷 寺山修司
わさび畑見学に来し夏帽子 井口公子
カシニョールの夏帽子来る浜通り 室生幸太郎
ヒロシマに消えに行くため夏帽子 室生幸太郎
ヒロシマの影がかぶさる夏帽子 室生幸太郎