竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

いづくにも虹のかけらを拾ひ得ず 山口誓子

2020-07-13 | 今日の季語


いづくにも虹のかけらを拾ひ得ず 山口誓子

作者の求める虹の欠片はなんだろう
幼年期の夢
青年期の野望
来し方に真剣に取り組めば取り組む程
求めるものは昇華して遠くなりがち
それでもその欠片を拾った実感が欲しい
拾ったことはないが求めることは止め理子と花井
(小林たけし)


【虹】 にじ
◇「朝虹」 ◇「夕虹」 ◇「二重虹」(ふたえにじ)
夏、夕立の後などに特に多く見られることから夏の季語とする。大気中に浮遊している水滴によって太陽光が分散されて生じるもので常に太陽の反対側に見られる。まれにその外側に色の配列が逆の副虹が見えることがある。俗に朝虹は雨、夕虹は晴れと言われる。

例句 作者

虹消えてまた虹立つも阿蘇らしや 猿渡青雨
佐渡までは届かぬ出雲崎の虹 宇都木水晶花
夕虹へ妻坑帽を捧げ干す 工藤求基
虹立つや母の手いつも濡れてゐて 石川笙児
行けどゆけど大虹のしたぬけきれず 宇咲冬男
頭に載せて水運ぶなり虹の中 久米三汀
一湾の虹のかけらとなつてゐし 菅原鬨也
虹見上げ携帯電話耳にあて 今井風狂子
分度器で虹を測って呆けてゆく 八木三日女
消ゆる時虹青色をのこしけり 軽部烏頭子
お遍路が一列に行く虹の中 風天
がりがりと虹に触れては減るあたし 竹岡一郎
ほっぺたが破裂するから虹の産卵 おおしろ建
をさなごのひとさしゆびにかかる虹 日野草城
ドロップの何色探る虹の音 髙橋あや子
バス来るや虹の立ちたる湖畔村 高浜虚子
リハビリや父の記憶へ虹架ける 河野薫
不眠症のきっかけは虹ホームレス 宮崎斗士
中天の虹を涅槃と思はずや 長谷部雉子
二番虹見上げる吾子の真顔かな 穂満史郎