寒鯉に鉸めたごとき緋色かな たけし
初案は
寒鯉の鉸きりたっる緋色かな
どうも寒水の厳粛な静寂寒が表現できないでいたが
鉸める という鉄板を叩いて繋ぎ言葉を発見して用いてみたら
この句になった
本人は理由なく気に入っている
やはり俳句は語彙の豊富を持ち合わせないとだめのようだ
(小林たけし)
冬(晩冬)・動物
【寒鯉】 かんごい(・・ゴヒ)
◇「寒鯉釣」 ◇「凍鯉」(いてごい) ◇「冬の鯉」
コイは各地の湖沼・河川に棲息し、水温が下がると動きも鈍り、深みに集まって越冬する。寒の頃にとれたコイは寒鯉と呼ばれ、身が引き締まり、脂ものって最高とされる。「あらい」や「鯉こく」として賞味される。
例句 作者
寒鯉の居ると云ふなる水蒼し 前田普羅
寒鯉の一擲したる力かな 高浜虚子
寒鯉のふたつのひげを思ひ寝る 三橋敏雄
金泥の全身ねむる冬の鯉 正木ゆう子
水底に昼夜を分ち冬の鯉 桂 信子
寒の鯉金輪際をうごかざる 川端茅舎
寒鯉の買はるる空のうすみどり 柴田白葉女
寒鯉のひとつのいろにまはりけり 古舘曹人
寒鯉のうるむ目頭切り落とす 豊田信子
寒鯉の鬱々としてたむろせり 五十嵐播水
寒鯉の居ると云ふなる水蒼し 前田普羅
寒鯉の一擲したる力かな 高浜虚子
寒鯉のふたつのひげを思ひ寝る 三橋敏雄
金泥の全身ねむる冬の鯉 正木ゆう子
水底に昼夜を分ち冬の鯉 桂 信子
寒の鯉金輪際をうごかざる 川端茅舎
寒鯉の買はるる空のうすみどり 柴田白葉女
寒鯉のひとつのいろにまはりけり 古舘曹人
寒鯉のうるむ目頭切り落とす 豊田信子
寒鯉の鬱々としてたむろせり 五十嵐播水