武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

クリームコロッケの巻

2009-03-16 21:37:38 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2009年3月3日(火)掲載のえ

空地で遊ぶクリームコロッケ。ラディッシュを添えました。

エッセイストの阿川佐和子さんが語る「コロッケ事件」とは?ある日、4歳の阿川さんが外で遊んで帰ると、お母様は板の間に座り、新聞紙を広げてクリームコロッケを作っていた。おにぎりのような俵形にして、一個ずつ並べていた。玄関からそれを見た阿川さんは、台所に向かって「私もやるー!!」と全速力で走って行くと、廊下でブレーキがきかなくなって、ベタベタとコロッケをつぶしちゃった。その瞬間の気まずさを、今でも覚えていらっしゃる阿川さんです。

ヒロク二さんから、「クリームコロッケってどんなコロッケ?」と聞かれた。即座に、「万代で売ってるよ。あの俵のコロッケ。カニクリームコロッケのこと。」と答えた。ヒロク二さんの顔を見ると解りませんと書いてあった。思わず「まかして下さい。作ります。」と言った。材料を揃え、ヒロク二さんからのGO!の合図で作るつもりだった。しかし、時間が経つうちに過去の記憶、クリームコロッケを失敗した経験がよみがえり、失意とともにクリームコロッケが破れ中身が出てしまい、パン粉の皮と具が形なく油の中に浮いている状態を見て、台所で西日にあたりながら、ハラハラと悲しく涙したことを思い出してた。それから一度も作っていないのである。頭で何故失敗したか?ということを問うた。クリームコロッケのクリームの温度、つまり硬さが難しいのです。柔らか過ぎて失敗したのだということがわかり、今度は冷せばいいと思ったが、考えてるうちに疲れてしまい、作る気力が萎えてしまった。クリームコロッケ簡単です。というレシピ紹介のコメントを見ると嘘つきだと思う。「やっぱり、買ってくる。」と方向転換して7個クリームコロッケを買ってきた。
ヒロク二さんは、コロッケを白い皿にのせて中身をみたりして苦悩というか、我が身に振りかかってる受難をどうすればいいかという顔をしている。ヒロク二さんはコロッケを何回描いただろうか?わたしは、ラディッシュを取り出しそっと皿の上にのせた。そして祈った。我が身に振りかかるであろう災難に。


コメント
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