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1996年というから、13年前に描かれた作品だ。この頃の作品は本当に細かく描かれている。よく個展で「ヤマガタ ヒロミチに似ている。」と言っていく人がいたが、実は、似て非なる世界。ポップで楽しい絵の中に、センチメンタリズムとヒロク二さんのアニマが秘められている。アニマというのはラテン語で「魂」という意味ですが、ヒロク二さんのアニマは、ユングのいうアニマ「男性の中の女性像」と考えた方がしっくりくる。心の中にたくさんの女性がいるのでしょうね?
若い頃の洋画家時代は、キャンバスに向かって「殺すぞぉー。」と筆を突きつけて絵を描いていたという話を聞いた。若いヒロク二さんはきっと、今より凶暴で、分けのわからんことを言っていただろうと想像がつく。若いヒロク二さんは、赤い油絵具が手についたまま、「殺すぞーぉ!!」と言って神戸の街を歩いていたという。「殺人こそしないけど、殺人者みたいな毎日だったねぇ。」とその頃の自分を振り返って、涙を流して笑っていた。ヒロク二さんの若き洋画修行時代は、おもしろいですよ。こんな絵の勉強の仕方があったのかと目からウロコです。
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最近のブログのバックミュージックは、「ニール・ヤングのアフター・ザ・ゴールドラッシュ」を聞いています。わたしが持っていたCDをヒロク二さんは勝手に売ってしまう。最近、仇をとるように買い直した。もう、こうゆう事は良くあることの一つですっかり慣れてしまっている。我が家では、CD戦争の時があり、お互いに相手のCDを切っては掛けと繰り返すのだけれど、究極は武内ヒロク二の勝ち。
ニール・ヤングを聞くといつも「青春」という言葉が浮かびます。わたしのお勧めです。