アトリエに武内の様子伺いに行くと、
積み重ねられた紙からブルーの色がはみ出していました。
どれどれと絵をめくり上げるとこの絵が出て来ました。
目にこの冴えたブルーの色がワッと飛び込んできて、清涼剤のように感じた。
それで、この絵を取り上げることに。
この楕円の重なり具合とか、形のゆがみ具合も良くて、どことなく可愛い。
種や卵みたいで、物事の始まる前の絵か?
青い丸が羅列されているが、だんだん大きくなったり、
小さくなったりしているありようがなんともいえない雰囲気を添えている。
豆の鞘にあるクッションのようで植物的に思える要素だ。
物事として捉えると、始まりの前というのは、
物事がすでに内包しているという事かもしれないと思ったりした。
言い換えれば、まだ果たされないことがあったとしても、
現在の時点で勢いがあれば、それは果たされるであろうということにも通じるかもしれない。
あれこれ考えていました。
この絵を見て思うのは「希望」。
そして、“希望”は、大切に育てなくっちゃ!と思う。
この絵は色鉛筆で描かれていて、まったく粉っぽい所が無く、表面は印刷物のように光っています。
紙もなめされていて、普通に描いた色鉛筆の発色とは違う。
顔のように見える形は、同じものをよく描いているので、わたしにとっては見慣れた形だ。
しかし、何度見ても、この形は謎めいていて、理解不能なのです。
わたしとしては、この絵を見て、このブルーの色に頭をガンと殴れれたような感触があります。
このわけの分らない形が、いっそうブルーを強調し、なにか神聖なものを感じてしまったと。
我が良人の頭の中はどうなっているのだろう・・・。
抽象的な形容詞で一杯なんじゃないだろうか。
そんなことを思った。
いつも、話がわかりにくいんです。
その話のわかり難いヒロクニさんが急にこんなことを言い出しました。
昨晩のことです。
「君って、何にもないじゃん。」と言われた。
はぁ?と思ってヒロクニさんを見た。
「何もないって、どういうこと?」と問い返した。
すると、「君って、東京に個展で行ったときのことを、
“ああ、あの時はこんなことがあったね“とか全く語ることがないじゃん。なにも喋らないじゃない。
挿絵の仕事をしている時のことも、懐かしく語るとかしないし・・。」と。
わたしは、めんどくさい気分になったが、
「そうねぇ~。これからのことばかり考えているからかな?
それに、過去のことは、よく思い出して、ブログにはよく書いているけど。
もう、ブログに書いて文章にしてるから、話さないのかも。」と言った。
以下、会話を箇条書きに。
ヒロクニ「君って、僕の世話も嫌そうにするじゃない。もう、するの嫌なわけ。」
(実は、夜十二時にホットケーキ焼いて、と言われたのを「こんな遅くからイヤ。」と無碍にした。)
わたし「ホットケーキを焼かなかったからって、そうすぐ短絡的にならなくてもいいじゃない。
わたしにも都合がある時があるからね。」
ヒロクニ「すぐそういうものの言い方する。君より話がわかる最初の妻の所へ行ってみようかな。」
わたし「よくそんなこと言えるわね。わたしは用済みですか。
だけど、いきなり行ってどうするの?皆、都合があると思うよ。」
(こういうと、何か嬉しそうな顔をするヒロクニさん)
ヒロクニ「君は、楽になるだろ。」
(わたしの心中は、楽にはなるだろうけど、寂しくなる。)
わたし「もう、今更遅いわ。何でホットケーキを焼かなかったぐらいでそうなるわけ!
作ったパンプキンタルトがあるでしょ。
その話し、もっと前にその話をしてくれたら良かったのに。」
(ここが、嫌味なわたしの性格)
ヒロクニ「だから、話し合いをしようっていっているじゃん。
君は、話し合いがそんなにイヤなの。
それだから、君はダメなんだ。」
わたし「じゃあ、よく聞いてよ。あなたは自分中心で自分の都合しかないけど、
わたしにも都合があるの。たまたま、ホットケーキを焼くのが嫌だったのは、
今日は新しい料理に挑戦して下ごしらえを早くからしたのに、うまくいかなくてガックリしてた。
意気消沈してたの。あなたも肉二切れしか食べないし、じゃが芋は硬いって言ってたじゃない。
一気に疲れが出ていたから、嫌だったの。分った?」
ヒロクニ「わたしは、美味しかったけどねぇ。塩っぽい豚肉が食べたいっていったら、
すぐに挑戦してくれて、その勢いが素晴らしいと思ったけどねぇ。」
わたし「とにかく、わたしにも都合がある時があるの。」
~同じような言い合いが続く~
ヒロクニ「そんなもんかぇ。まあ、話し合い出来たし、これでいいんだよ。」
深夜2時。
ホットケーキを無理やりにでも焼いていた方が良かったかも・・・・と。
言いたいことは、「もっと、かまって!」なんでしょうね。
しかし、わたしも忙しくって。
「君には、何もない。」これも、名言かも。
我家の猫、ピピも密着型。
パソコンに向かっていると、バンザイして抱きついてくるのも驚きだけど、
最近、勢いよく身体に駆け上がってきて、肩にいます。
フクロウみたいに。
かあちゃんは、忙しいの気分に包まれる。
ちなみに失敗した料理は、豚バラブロック肉のオーブン焼き。
脂っこくて、気分が悪くなってしまったし、塩、塩、と言われていたので塩が効き過ぎていて食べると頭痛が・・。
大根と煮た方がどんなに良かったか、と後悔しました。
後悔、2段重ねで、トホホ。
こんな日もあるのです。
↑食卓に飾っている花。
玄関前にある菊が咲いてきました。
それを摘んで、手捻りのピンクの湯のみに。
柿も我が家で取ったもので、食べる頃を見計らっています。
同じ種類の菊なのですが、
日当たりの加減でピンクの色が薄くなったり、濃くなったりしています。
菊が咲き出すと秋を感じます。
今日は、夫婦漫才か?
「君って、何にもない。」は、斬新な言葉でした。
それと、何度も結婚している人(何度も離婚している人)は、いう事が違うと感心しました。
「話をしよう。」と言われると、何となく回避してしまうわたくしです。
何気なく話する方が断然いい。
わたし達夫婦の話に付き合って下さった方、今日もありがとうございます。
でも、絵はユニークでしょう。
気持ちがすうっときれいになるように感じます。でも、きれいなだけではなく力強さも動きも感じる、エネルギーが満ちてくる気持ちになります。
「君って、何にもないじゃん。」にとてもびっくりしました。え、どういうこと?何もなくないことなんてまったくないし、どうしてそんなことを……と、ちょっと体が緊張しました。
さほりんの受け答えの内容で少しずつ緊張は解けてきましたが、「何もない」という衝撃は、かなり気持ちを揺さぶられました。
夜中のホットケーキや東京のことを語るということも衝撃でした。
夜中の十二時に「ホットケーキ焼いて」と言われて、にこやかに焼いてあげる人はあまりいないのではないかと思います。「無理やりにでも焼いていた方が~」と思うさほりんは、優しいと思います。
柿の枝の残し方がとてもすてきです。菊と柿の色と形と位置のバランス、これはセンスなのだなあと感心します。
“Grover Washington Jr.の「Just the two of us」”聴いてくださったのですね。嬉しいです。中学生のときに初めて聴いて「なんてすてきなのだろう!」と衝撃を受けた曲です。
音楽の紹介、「楽しい」と言っていただいてとても嬉しかったです。ありがとうございます。
ともりんの感想で「気持ちがすうっときれいになる」とありましたが、そのとおりなんです。シンプルな絵なので、そういう気持ちになるのかもしれません。島?その見方にハッとさせられました。温暖な気候の島を想像します。そう思うと、ヒロクニさんの故郷、徳之島を思いました。
「君って何もないじゃん。」という言葉は、ヒロクニさんは、自分中心なので、私がヒロクニさんの周りを回っていないから言うのだろうと思い、「何いうとるんじゃ?」(関西の悪い言葉)的な言葉を心の中で思っていたわ。最近、お歳なのか、懐古的になることが多く、東京の個展での思い出などを2人で懐古したいようです。そうだけど、主婦は現実に忙しいのよ。ヒロクニさんのいいつけごともたくさんあるし。感情のすれ違いみたいなものだと思います。
まあ、私のそっけない性格も情緒的なヒロクニさんにはものたりないのかもしれません。ホットケーキのことで、優しいと言ってくれて嬉しい。私、ヒロクニさんには優しくしているつもりだから。焼かないばかりに、長い話になるのなら、焼いてなにもいわれない方がいいと言う・・・・。長い話、恐れています。
音楽の紹介良かったですよ。Grover Washington Jr.の他のアルバムも聴いてみました。ヒロクニさんにも聴かない部類の音楽があって、こういうのはあまりかからないのです。なかなか、いい。こうやって、興味を広げていくのがとても楽しいわ。ありがとう!
来週から寒くなるらしいけど、お身体を大切に。
お互いに。