この絵は、28年前ぐらいに描かれた絵。
今日取り上げるジム・ジャームッシュの映画の感覚に通じる絵は、どれかな?と思い、
アップしました。
荒涼とした海をバックに、紙切れのような女性が描かれています。
その感覚が、シュールで印象に残っています。
我家では、2人で映画にはまった時期があり、
フランス映画を筆頭に、名画をたくさん楽しんだ時期がある。
ヌーベルバーグ時代のフランス映画、イタリアン・ネオリアリズム、ハリウッドの全盛のアメリカ映画、
西部劇、ハードボイルド、サスペンス、
日本映画は、高倉健主演の任侠もの、黒澤明監督の初期を特に、小津 安二郎監督の映画、
古い時代の映画がほとんど。
私の好きな俳優は、
ハンフリー・ボガード、ジャン・ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、
リノ・バンチュラ、ジャン・ギャバン。完璧なおじさん趣味であります。
もう、私の年代がばれますね。若い方に、「それ、誰ですか?」と言われたことあり。
その中で、変り種として、ジム・ジャームッシュ監督がいる。
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」という映画は、モノクロで、
ちょっとけだるい雰囲気とイカレタ感じがなんとも良くて好きだった。
ヒロクニさんに紹介したら、物凄く好きになってしまったようで、この監督の映画も一緒にたくさん観た。
ヒロクニさんは、「パーマネント・バケーション」が好きで、たまらないらしい。
「パーマネント・バケーション」は、私にとっては意味が分からない作品なのですが、
ヒロクニさんは、「潮の香りがしていい。」と言います。
「ストレンジャー・パラダイス」では、主題歌に使われていた「スクリーンミン・ホーキンス」の曲を掛けながら、
掃除機をかけるシーンがあり、それが良くて、レコードを買った。
主演のミュージシャンのジョン・ルーリー以外に、
アメリカのロックバンドの「ソニック・ユース」のドラマーのリチャード・エジソンも助演しています。
↑こりらが、ポスターで使われていた映画の1シーン。
「ダウン・バイ・ロー」では、トム・ウェイツ、ジョン・ルーリーが出演していて、
ラウンジ・リザーズと、トム・ウェイツのレコードを買った。
↑こちらが、その映画の1シーン。
どちらの映画もモノクロで、カラーが全盛の頃、あえてモノクロだった。
私が観た頃は、まだまだインディーズ扱いで、あまり知られてなかったと記憶している。
ヒロクニさんに教えると、私よりはるかに好きになってしまったようで、
「全部観たい。」と言う。
それから、ジム・ジャームッシュ監督の映画巡りがはじまった。
■「ナイト・オン・ザ・プラネット」
■「ミステリー・トレイン」この作品では、スクリーミン・ジェイ・ホーキンス、
ジョー・ストラマー(ザ・クラッシュ)の2人が出演。
■「豚が飛ぶとき」この映画は、タイトルが変なのですが、けっこう心温まる物語で私は好きでした。
かつてのミック・ジャガーの恋人、マリアンヌ・フェイスフルが幽霊の役で出ていて、ぴったりしていました。
■「デッドマン」は、不思議な映画でした。若いジョニー・デップが主演していましたが、ちょっと難解な映画。
音楽が、ニール・ヤングでした。
■「イヤー・オブ・ザ・ホース」これは、ニール・ヤングのライブ。
■「ゴースト・ドッグ」これは、日本の武士道をニューヨークを舞台に移したという感じの映画。
ジム・ジャームッシュ氏は、日本についても造詣が深くて、「葉隠」を愛読していて、
日本の映画監督、小津 安二郎が好きだそう。
で、日本の古い宍戸 錠が出てくる頃の和製「西部劇」なんかも観ていて、「バーン、バーンと拳銃を使った後、
どうして拳銃を捨てるのだ?」と、疑問を語っていて、そんな事思わなかったわ・・と笑ってしまった。
■「コーヒー&シガレット」では、イギー・ポップが出演していて、「イギー・ポップ怖い・・・。」と、
ヒロクニさんに観ながら、何度も言った。
とにかく、やたらミュージシャンが出てくるのが、ジム・ジャームッシュの映画の特徴かな?
それも、ちょっと端っこの人。
この端っこ、片隅のような感性と詩情がヒロクニさんも私も好きみたい。
ストレンジャー・パラダイスや、ダウン・バイ・ローが封切られた頃は、
大学を卒業して成人したにもかかわらず、アルバイトをして絵を描いていたりとして、
まだまだ青春の私がいました。
今思いだすと、青春とは、「ほろ苦い。」
それと、若い時って、異常に悲しくなったりして泣くということもあって、あの気分の素は何だったのか?
歳とって良かった、と思います。ホッとする。
その感傷的な気持ちを誘発させるものとして、トム・ウェイツの曲がある。
青春と思われる当時聴いていたもので、これを聴くと一気に「ほろ苦く、せつない悲しみ」が、蘇ってくる。
心の中は、4次元の世界でもあるので、時間を行ったり来たり。
今、その青春と思われる時期に、ワープしてしまったという感じ。
だけど、トム・ウェイツをかけていると、
薄暗いバーでアルコールをずっとたしなんでいる感じになってしまうので、
あまり長時間聴くのは無理。気持ちが、ズーと夜になってしまって。
ヒロクニさんは、「あのへん(ジム・ジャームッシュ達)は、仲間だから・・」と言って、
トム・ウェイツ自身には全く興味がない。
そういえば、持っていたレコードも即売られてしまったし・・・・。
(思い出したら、ちょっとムッときた)
もう、いいけどさ。
あー、今日は、映画の話ばかりになってしまいました。
青春映画として、最大に素晴らしいなと思っている映画に、
「冒険者たち」という映画があります。
こちらの映画は、アラン・ドロンとリノ・バンチュラが競演していて、私にとっては最高なんです。
こちらは、3人の男女が愛とロマンと冒険に夢を賭けた冒険物語。
この映画は、端っこではなく、王道を行っています。
パリの凱旋門を通り抜ける飛行機を操縦するアラン・ドロンも最高です。
パイロット役なんです。
庭では、絹さや、そら豆が、発芽して大きくなってきました。
そら豆の生育には、バラつきがあり大きさがまちまち。
春の収穫を楽しみにしています。
そら豆をさやのまま、素焼きすると、とても美味しい。
燻製みたいになっていいのです。
「レーヨン」というタイトルが絶妙です。
「レーヨン」と聞いてしまうとそれ以外のタイトルが思いつかなくなります。
バックの暗色の感じが不思議です。暗色の部分によって、複雑な世界が広がります。
このバックは、前面に描かれている女性に関連しているものでしょうか。それとも、別の世界感の中で展開していくのでしょうか。
いろいろと考えてしまいます。
ジム・ジャームッシュの映画は数本観ましたが、「パーマネント・バケーション」は観たことがなくて、なんで観てないんだろう~とちょっと自分に悔しい感じです。
「コーヒー&シガレット」はすてきな映画ですね。イギー・ポップとトム・ウェイツが出てきて、おぉー、こんな組み合わせを出しちゃうんだ!と嬉しかった記憶があります。
トム・ウェイツの「薄暗いバーで……」のくだり、うんうん、とうなづきながら読みました。
確かに、夜な感じの中を浮遊している気持ちになります。
レコードを売られるのは、くやしいです。
自分の意思で売ったり処分したりするのは良いのですが、誰かにそれをされると、なぜかとてもムッとします
さほりんの好きな俳優さん、みなさんシブイおじさまのイケメンさんですね。
ボギー、アラン・ドロンはもちろんですが、ジャン・ギャバンもすてきです。
春の野菜が冬の初めに芽吹いているのを見るのは、新鮮な気持ちになります。
まだ冬の前ですが、そら豆のつやつやした緑が浮かんできて、空気がふんわり暖かくなりました。
レーヨンの絵に描かれている「女の子の形」は、よく登場します。ただ、このような雰囲気の絵は、この作品だけ。珍しい方の絵だと思っています。バックの鉛筆のタッチが、何か不思議な感情をおこさせます。「女の子」が、ここまで大きく描かれているのは、この作品だけで、次の展開は、なかったようです。誰も理解してくれないと思ってやめたのでしょうかねぇ。(わかりません!)
ジム・ジャームッシュの映画って、あまり見ている人って少ないと思う。でも、ともりんは、見ていたのですよねー。とても、共通項を感じて嬉しい。「コーヒー&シガレット」は、武内ヒロクニの世界でもあるので、「君の世界じゃないか?」と冷やかしつつ、一緒に観ました。やはり、出演者自体が独特なんで、強烈でした。
ヒロクニさんから、いつも音楽の啓蒙を受けていますが、ヒロクニさんは、以外とド・ロックな感じの音がすきなのかも?と今回、トム・ウェイツのことを書いていて思いました。興味がないものに対して、すぐ排斥するので、困ったヤツです。
映画の俳優は、渋いおやじ趣味一直線。それが、ヒロクニさんと結婚した、裏の理由だったりして・・・。ヒロクニさんは、イケメンではないけど、年の割りに、スタイリッシュだったと思います。コメントありがとうね。