田中雄二の「映画の王様」

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『マーティ』

2019-01-20 07:08:21 | 1950年代小型パンフレット
『マーティ』(55)(1996.9.10.)



 ニューヨークの下町、ブロンクスの肉屋で働く、34歳で独身のイタリア系アメリカ人、マーティ(アーネスト・ボーグナイン)を主人公にした人間ドラマ。

 この映画に関する“伝説”のあれこれについては、今まで随分と聞いたり読んだりしてきた。例えば、当時としては珍しい、美男美女ではないカップルを主役にした映画だった。この映画の監督のデルバート・マンや脚本のパディ・チャイエフスキーに代表されるように、後発のテレビの才能が映画のそれを凌駕し始めるきっかけとなった。ありふれたストーリーの奥に、当時は描くことがタブーとされたエディプスコンプレックスや同性愛的な心情を巧みに描き込んだ等々。

 実際に見てみると、確かにどの説も、ごもっともと納得させられる出来で、当時の映画人や観客の驚きぶりは垣間見ることができたが、ニューシネマを見て育った世代にとっては、美男美女ではないカップルという点は、驚くに値しなかった。

 最も驚いたのは、アーネスト・“鬼瓦”・ボーグナインが演じた主人公マーティの年齢設定が、今の自分(35歳)よりも下だったということだった。ちなみに、相手役のベッツィ・ブレアはジーン・ケリーの奥さんだった人とのこと。

【今の一言】この映画、基はテレビドラマだが、そこでマーティを演じたのは、かのロッド・スタイガー。こちらも見てみたい。



アーネスト・ボーグナインのプロフィール↓




デルバート・マン
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