ルグランの音楽は、粋でおしゃれで甘いが哀愁もある。シャンソンとジャズを融合させたような、独特のメロディラインが特徴。
代表作は、ジャック・ドゥミ監督のフランス製ミュージカル『シェルブールの雨傘』(63)『ロシュフォールの恋人たち』(67)、あるいは、アカデミー賞に輝いたハリウッドでの仕事『華麗なる賭け』(68)『おもいでの夏』(71)『愛のイエントル』(83)などになるのだろう。
個人的には、クラーク・ゲイブルとキャロル・ロンバードの伝記映画『面影』(76)や、スティーブ・マックィーンの遺作となった『ハンター』(80)、手塚治虫の漫画を市川崑が映画化した『火の鳥』(78)も忘れ難い。
最近の『チャップリンからの贈りもの』(14)でも、チャップリン映画の音楽を巧みにアレンジし、健在ぶりを示していただけに残念だ。たくさんの名曲を残してくれたミシェル・ルグラン。メルシー、アデュー(で合っているのかな)。