明智光秀を主人公にした初めての大河ドラマ。光秀(長谷川博己)と織田信長(染谷将太)との不思議な友情と愛憎の物語として、あるいは帰蝶(川口春奈)を間に置いた三角関係劇として、1年間面白く見た。
何より、足利義昭(滝藤賢一)をこれほどしっかりと描いたドラマはこれまでなかったし、黒くしたたかな羽柴秀吉(佐々木蔵之介)という解釈も新鮮だった。
そして、光秀に架空の人物を多数絡ませたところもそうだが、光秀=天海上人説をにおわせたラストを見ながら、これは一種の壮大な歴史ファンタジーだったのだと、改めて気付かされた。光秀を主人公にしたら、ラストは小栗栖ではなく、こういう終わり方にするしかないだろう。
長谷川、染谷をはじめ、俳優陣は皆頑張りを見せ、ジョン・グラムのテーマ曲、黒澤和子の衣装も印象に残った。