田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『秘密への招待状』

2021-02-15 09:08:11 | 新作映画を見てみた

ジュリアン・ムーアの“私映画”

 デンマーク映画『アフター・ウェディング』(06)をリメイク。ただし、主人公の性別が男性から女性に変更されているという。

 インドで孤児院を運営するイザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、大口の寄付を検討しているという会社経営者のテレサ(ジュリアン・ムーア)からニューヨークへ呼ばれ、彼女の娘グレイス(アビー・クイン)の結婚式にも無理やり出席させられる。

 そこでイザベラは、今はテレサの夫となった元恋人のオスカー(ビリー・クラダップ)と再会し、グレイスが自分の娘だと知る。イザベラはテレサの行動の真意を疑うが、実はテレサは…。

 前半は、テレサの真意や動機の理由を探る一種のミステリーとして展開し、後半は、生みの親と育ての親、そしてテレサの“秘密”をめぐる葛藤劇へと変化する。

 見終わって、この話は果たして美談なのか、それともエゴの話なのか図りかねるところがあった。それは登場人物の誰かに感情移入できたか否かにもつながるのだが、自分は誰にも感情移入することができなかったし、皆が自分勝手のように思えてならなかった。

 この映画は、ムーアがプロデュースし、夫のバート・フレインドリッチが監督している。それ故、自分が気に入った役を演じた“私映画”的なものも感じさせられた。

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「BSシネマ」『127時間』

2021-02-15 07:45:24 | ブラウン管の映画館

『127時間』(10)(2011.6.1.20世紀フォックス試写室)

 ロッククライミング中に落石によって、岩場に右腕を挟まれて身動きが取れなくなった男。外部との連絡も取れない中、彼はいかにして生還を果たしたかという実話の映画化。

 偶然の事故で、独りでどこかに閉じ込められ、身動きが取れなくなった者の焦燥を描くという点では、バラエティー番組でやっていた「トイレに閉じ込められた独り暮らしの女性」の話や、イッセー尾形の「ビルの隙間に挟まれた男」の一人芝居「ヘイ、タクシー」、そして、これは閉じ込められたわけではないが、「独りで高層階の窓外に出てしまった男」を描いたジャック・フィニイの名短編「死者のポケットの中には」を思い出した。

 ダニー・ボイルは、主人公の身に唐突に訪れた災難を、徐々に恐怖やイライラが募ってくるように見せるが、その姿はどこか滑稽でもある。分割画面や主人公の回想や幻想シーンがちょっとうるさい気もするが、あまり映画向きではない題材をよく映画にしたとも言える。さまざまな既成の音楽が使われていたが、中でもビル・ウィザースの「ラブリー・ディ」が印象的。ジェームズ・フランコが、ほぼ一人芝居で頑張っていた。

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「BSシネマ」『新幹線大爆破』

2021-02-15 07:08:15 | ブラウン管の映画館

『新幹線大爆破』(75)

青山八郎の哀愁に満ちた音楽
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e5c3851f5549734f30e07273206b5096

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