ジュリアン・ムーアの“私映画”
デンマーク映画『アフター・ウェディング』(06)をリメイク。ただし、主人公の性別が男性から女性に変更されているという。
インドで孤児院を運営するイザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、大口の寄付を検討しているという会社経営者のテレサ(ジュリアン・ムーア)からニューヨークへ呼ばれ、彼女の娘グレイス(アビー・クイン)の結婚式にも無理やり出席させられる。
そこでイザベラは、今はテレサの夫となった元恋人のオスカー(ビリー・クラダップ)と再会し、グレイスが自分の娘だと知る。イザベラはテレサの行動の真意を疑うが、実はテレサは…。
前半は、テレサの真意や動機の理由を探る一種のミステリーとして展開し、後半は、生みの親と育ての親、そしてテレサの“秘密”をめぐる葛藤劇へと変化する。
見終わって、この話は果たして美談なのか、それともエゴの話なのか図りかねるところがあった。それは登場人物の誰かに感情移入できたか否かにもつながるのだが、自分は誰にも感情移入することができなかったし、皆が自分勝手のように思えてならなかった。
この映画は、ムーアがプロデュースし、夫のバート・フレインドリッチが監督している。それ故、自分が気に入った役を演じた“私映画”的なものも感じさせられた。