30年前、外国人労働者の先駆けとして日本にやってきた日系ブラジル人たち。夢を抱いて日本にやって来た彼らが、30年の間に日本で見た光景とはどのようなものだったのか。
イッセー尾形が、取材基になった日系ブラジル人が多く住む団地の一角で“公開一人芝居”を実施し、日系ブラジル人から見た“日本人あるある”や、彼らを「ガイジン」「労働力」として扱ってきた日本社会の側面を、笑いあり、涙ありで描く。脚本は宮藤官九郎。
1幕1990年「団地のゴミ捨て場」自治会長のホリイさん
2幕1994年「工場」工場で働くカヨさん
3幕2008年「公衆電話」現場監督のトシちゃん
4幕2020年「私たちの団地」日系ブラジル人のロベルト
実は全ての話にロベルトを登場させるあたりがうまい。クドカンはちゃんとやれば、やっぱりすごい劇作家だと思う。イッセー尾形のもはやくささを通り越した一人芝居も素晴らしい。こういう問題提起の形もあるのだ。
幕間では、一人芝居を観劇した日系ブラジル人の人生、脚本のモデルとなった団地や工場でのエピソードを紹介。「ガイジン」と呼ばれてきた人たちが歩んできた道を明らかにする。ナレーションの安藤玉恵が最後にちょっと助演を見せる。