田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「新選組!」最終回「愛しき友よ」

2021-02-09 13:30:12 | 大河ドラマ

「新選組!」「愛しき友よ」(2004.12.12.)
大団円

 大河ドラマ「新選組!」がいよいよエンディングを迎えた。何より、最初は違和感ばかりが目立った香取慎吾演じる近藤勇や隊士たちが、どんどんと成長、変化していく様が面白かった。最後は近藤や新選組を多少美化し過ぎたきらいはあるが、幕末という、何が正しいのかよく分からない混沌とした時代の中で、それでも何かを信じて懸命に生きた若者たちの青春群像として見られたのが大きかった。

 そして、三谷幸喜にしては珍しく真面目に? 野田秀樹扮する勝海舟に、近藤の最後について「どう死んだかではなくどう生きたかだ」と言わせたり、栗塚旭演ずる土方の兄に「(新選組が)正しかったかどうかなんて、100年、200年後の人に決めてもらえばいい」と言わせたところに、三谷なりの新選組に対する思いが込められていたのだろうと感じた。

 それと、ラストシーンに続く、テーマ曲をバックにした“カーテンコール”も良かった。後は新旧の土方、沖田役の共演も。何より、三谷自身が作詞したというテーマ曲が全てを語っている気もする。それは男が勝手に抱くヒロイズムやロマンチシズムなのかもしれないが。
 
 「愛しき友は何処に、この身は露と消えても、忘れはせぬ、熱き思い、誠の名に集いし遠い日を、あの旗に託した夢を」
https://www.youtube.com/watch?v=1h-Ue3XL_ww

 ある小学生が、「愛しき友は何処に」のところを「勇は香取慎吾だ」と替えて歌っていた。子供の発想はすごいなあ。

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「新選組!」「流山」

2021-02-09 10:36:33 | 大河ドラマ

「新選組!」「流山」(2004.12.5.)

 昨日の大河ドラマ「新選組!」を見ていて、新選組物としては最後の見せ場の一つとなる、相手を近藤勇(香取慎吾)と知りながら共感する薩摩の有馬藤太(古田新太)は、「勧進帳」の富樫や「忠臣蔵」の垣見五郎兵衛のような役割だなあと改めて感じた。三船敏郎が近藤を演じた映画『新選組』(69)では中村錦之助が特別出演の形で有馬を演じて最後を締めていた。まあ、何が正義なのかは別にして。

 また、中村獅童演じる捨助という架空の人物の設定に、三谷幸喜の大河ドラマフリークぶりを感じる。以前、何かの対談記事で、「昔『黄金の日日』を見ていて、主人公の呂栄助左衛門(市川染五郎)が、半ば架空の人物なので、どんな歴史的な場面、例えば、比叡山焼き討ちや本能寺の変に立ち会っていてもおかしくない。これは脚本家としてはおいしい役」みたいなことを語っていた。つまり、今回の大河での捨助は、「黄金の日日」の助左衛門なんだな、きっと。

 それから、今回は、沖田総司(藤原竜也)が静養している植木屋の主人役で昔の「燃えよ剣」などで沖田を演じた島田順司が登場。前半は、土方歳三(山本耕史)の兄役で、やはり昔土方を演じた栗塚旭も出ていた。こういうリスペクトの仕方はいいなあ。

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「BSシネマ」『バルジ大作戦』

2021-02-09 06:59:02 | ブラウン管の映画館

『バルジ大作戦』(65)

敵将あっぱれ映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/41b370c5ab1f5c63e37b909297705321

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「新選組!」「東へ」

2021-02-09 01:17:55 | 大河ドラマ

「新選組!」「東へ」(2004.11.21.)

 大河ドラマ「新選組!」』もいよいよ終盤。鳥羽伏見の戦いに敗れ、将軍・徳川慶喜(今井朋彦)にも捨てられ、江戸に戻った新選組は破滅への道をひた走る。

 ところで、一部の熱狂的な女性ファン(この人たちは別の意味ですごいのだが)は除いて、どうも新選組は、一般の女性にはあまり受けがよくない、というか、理解し難い存在らしい。というのも、彼らの行動が、思い込みの激しさ故の勘違いに思えたり、時代の波が読めずにからまわりする様が滑稽にも見え、極端に言えば、ただの人斬りで、仲間を平気で粛清する残酷な集団と映るらしい。

 例えば、自分の周りでも、高校生の頃TBSの連続ドラマとして放送され、草刈正雄の沖田総司が人気を呼んだ「新選組始末記」をたまに一緒に観ていたお袋が「理解できないし嫌いだ」と言っていたし、今、大河ドラマを一緒に見ているかみさんが「ばかみたい」と言う。

 まあ、熱狂的に新選組を美化して憧れる女性たちもいるかと思えば、全く正反対に拒絶反応を示す女性たちもいる…。この極端な違いは一体どこから生じるのだろうと思う。

 その点、男は単純で、様々な人物が集まる面白さ、その後の対立、後は、滅びの美意識みたいなところに引かれるし、どこか、組織に属した時の自分の立場や身の処し方と重ね合わせて見ていたりもする。

 ところで、三谷幸喜は喜劇畑の人でもあるから、シリアスの中に、どうしてもギャグっぽいものを入れたくなるようだ。それが、このドラマが今までの新選組を扱ったものとは大きく違うところだが、いかんせん外し過ぎの感がある。

 ただ、このドラマの新しさは、実際の隊士たちとそう年齢が変わらないキャスティング(賛否はあるが)がなされた点にある。そうなのだ。幕府側も薩長側もみんな驚くほど若いのだ。そこが彼らに切なさを感じるゆえんでもある。

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