田中雄二の「映画の王様」

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『世界で一番しあわせな食堂』

2021-02-14 07:35:25 | 新作映画を見てみた

一種のまれびと話

 フィンランド北部の小さな村。シルカ(アンナ=マイヤ・トゥオッコ)が営む食堂を、上海からやって来た料理人のチェン(チュー・パック・ホング)とその息子が訪れる。

 チェンは恩人を捜していると言うが、知る者は誰もいなかった。シルカは寝床を提供し、恩人捜しにも協力する代わりに、食堂を手伝ってもらうことにする。チェンの料理は評判を呼び、食堂は大盛況。シルカや常連客たちと親しくなっていくチェンだったが、ビザの期限が切れ、帰国を迫られる。

 フィンランドの美しい自然と、おいしそうな料理に彩られたハートウォームな物語で、監督はミカ・カウリスマキ。チェンは一種のまれびと(異郷から来訪する神)だが、薬膳に象徴される西洋から見たアジアの神秘という面もあるのだろう。トゥオッコとホングが好演を見せる。

 

コメント
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