『オードリー・ヘプバーン』(2022.4.18.オンライン試写)
オードリー・ヘップバーンの軌跡を描いたドキュメンタリー。監督はヘレナ・コーン。息子のショーンの証言を中心に、友人たちや、『ニューヨークの恋人たち』(81)を監督したピーター・ボグダノビッチ、『オールウェイズ』(89)で共演したリチャード・ドレイファスらも証言する。
登場する主な映画は、端役時代の何本か、そしてアカデミー主演女優賞を受賞した、ウィリアム・ワイラー監督の『ローマの休日』(53)、ファッションデザイナーのジバンシイと出会った、ビリー・ワイルダー監督の『麗しのサブリナ』(54)、そのファッションをさらに発展させた、ブレーク・エドワーズ監督の『ティファニーで朝食を』(61)、フレッド・アステアとダンス共演した、スタンリー・ドーネン監督の『パリの恋人』(57)、歌を吹き替えられた、ジョージ・キューカー監督の『マイ・フェア・レディ』(64)、最初の引退作となった、テレンス・ヤング監督の『暗くなるまで待って』(67)…。
オードリーは一種のファッションアイコンでもあったが、その点、彼女の「役作りの助けは衣装。その役の姿が分かるとやりやすかった」という言葉は象徴的だと思った。
一方、俳優のメル・ファーラー、精神科医のアンドレア・ドッティとの結婚に破れたオードリーについて、父親に捨てられた過去やコンプレックス、男運のなさが浮き彫りにされると、人間は全てを手に入れられるわけではない、という当たり前の事実に改めて気付かされる。
孫が「世界一愛された人が愛に飢えていた」と語るオードリーが、晩年、ユニセフ親善大使としての自分に価値を見いだしていくのは、ある意味、必然だったのかもしれないとも思えた。
なかなか興味深いドキュメンタリーではあったが、時折、イメージとして挿入されるバレエのシーンはちょっと邪魔な気がした。
「ちゃんと観たことありますか?」オードリー・ヘプバーン
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f64acdf38588e036985f3da44701ca89
「麗しのオードリー・ヘプバーン」
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