田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ハケンアニメ!』

2022-04-26 16:53:45 | 新作映画を見てみた

『ハケンアニメ!』(2022.4.20.丸の内TOEI)

 地方公務員からアニメ業界に転身し、苦節7年を経て監督となった斎藤瞳(吉岡里帆)は、デビュー作『サウンドバック 奏の石』で憧れの天才監督・王子千晴(中村倫也)と業界の覇権をかけて争うことになる。

 王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その後は沈黙。プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)は、そんな王子の8年ぶりに監督復帰作『運命戦線リデルライト』で大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理(柄本佑)や個性的な仲間たちとともに、覇権奪還を目指して奮闘するが…。

 直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で頑張る人々の姿を描いた同名小説を、『水曜日が消えた』(20)の吉野耕平監督が映画化。

 アニメ製作の裏側やハウトゥーを見せながら、創作活動全般に共通する苦悩や喜び、そして熱気を描く。実写はもちろん、アニメの制作も一筋縄ではいかぬことがよく分かる。これは、ある意味“お仕事映画”という言い方もできるだろう。

 劇中に登場するアニメは、実際に第一線で活躍するクリエイターたちが手掛け、キャストとして梶裕貴ら、人気声優が多数出演しているということだが、アニメに無知な自分にとってはいま一つピンとこない。

 ただ、アニメには門外漢の自分のような者が、劇中アニメの『サウンドバック 奏の石』と『運命戦線リデルライト』を見てみたいと思ったのだから、これはよくできた映画の証しと言ってもいいのではないか。

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『生きててよかった』

2022-04-26 09:32:37 | 新作映画を見てみた

『生きててよかった』(2022.4.24.オンライン試写)

 『ロッキー』(76)を見て、プロボクサーになった楠木創太(木幡竜)とシルベスター・スタローンに憧れて俳優になった松岡健児(今野浩喜)。

 だが、楠木は、ドクターストップにより強制的に引退を迫られ、松岡もなかなか役に就けずにいた。楠木は、リングへの未練と執着を捨て切れないが、恋人の幸子(鎌滝恵利)との結婚を機に引退を決意する。

 楠木は新しい生活を築くために仕事に就くが、何をやってもうまくいかず、社会にもなじめず苦しい日々を送る。そんな中、ファンを名乗る謎の男(柳俊太郎)から、大金を賭けた地下格闘技のオファーを受ける。久しぶりのリングで忘れかけた興奮がよみがえった楠木は、松岡の協力のもと、再び闘いの世界にのめり込んでいく。

 元プロボクサーという経歴を持ち、中国を拠点に活躍する木幡竜が、リングでしか生きられない元ボクサーを演じる格闘アクション。監督・脚本は鈴木太一。

 全体的に粗削りなところが目立つ映画だが、木幡のアクションはさすが。ただ、『あゝ、荒野』(17)『アンダードッグ』(20)と同じく、またもやボクシングとセックスを無理やり結びつけて描いているところには違和感を覚えた。ジムの会長役の火野正平がいい味を出していた。

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「BSシネマ」『市民ケーン』

2022-04-26 07:15:24 | ブラウン管の映画館

『市民ケーン』(41)(1976.5.5.新宿アートビレッジ)

 初めて『市民ケーン』を見た新宿アートビレッジは、16ミリ専門の上映館で座席数は40。歌舞伎町のジャズ喫茶「タロー」の3Fにあった。この時、誘ってくれたのが、高校のクラスメートで映画部の仲間でもあり、たくさんの映画を一緒に見たJ・Tだった。今はなき自由ヶ丘武蔵野推理劇場も、大岡山に住んでいた彼が教えてくれたのだった。ところが、彼は2学期から登校拒否になり、その後退学してしまったので、ほんの短い付き合いで終わってしまった。今でも、時折、映画についていろいろと教えてくれた彼のことを思い出す。元気にしているだろうか。

『ラストエンペラー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7f12934091782e9c5457c3df6a655d94

『映像の魔術師 オーソン・ウェルズ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7f925f8b2bddeb3e66e86399ca8d6f1a

『Mank マンク』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b80df92011fa375780feea40a631ecd6

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