フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

Komati の春

2010-04-15 19:56:08 | Weblog
小野小町の有名な和歌
 「花の色は移りにけりな徒にわが身世にふるながめせしまに」
これは、古今集の春の歌に入っているんだね。知らなかった。ずっと小町というだけで恋の歌かと思っていた。容色の衰えの歌だと思っていたから。でもちょっと違ってたんだなこれが。「ボーっとしてるうちに花の色が移って行くように春が往ってしまう」という大意だとそうなるのかな。それにしてもこの寒さはなんなんだろう。また冬に逆戻りだよ。毛糸のセーターを引っ張り出してチタニウムのパンツを穿き猫にストーブを点けてやる。これじゃぁボーっとしてる間に春は行かず往ったり来たりを繰り返すからあのランボーの「永遠」と重なって「とうとう見つかったよ なにがさ 永遠というもの」「また見つかったよ なにがさ 永遠」「もう一度探し出したよ 何を 永遠を」こんなに訳のニュアンスが違う。逆に小町の歌も仏蘭西で訳されているんだ「Pendant que revant Pleine de melencolie」なんてね。これによると人生の春の移ろいのほうだね。小町は花の歌が多いけど水の歌もあるんだ。終の花、水のうら、人生の何たるかを知った哲学者だったのかもしれないね。移ろうことで歌の受け取り方も変わるのか・・・・。
コメント
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