僕らの行き先
僕らが林の中の雪道を歩く時
耳をすまして木の枝から雪が落ちる音を
聞く
さらさらと雪が風に流れる音に心が躍ると
「ほら、しずかだね」
「うん、しずかだね」
林のなかに陽がさしこんで雪がキラキラ輝く
僕らの足音だけがギシギシと続く
僕らの行き先はどこなんだろう。
僕らの行く先にあるものは、三角点の標識か
それが終点と思って歩いてはいない。
そこがまた始まりなのだと
みんな知っているから。
僕らの行き先はいつもあの山の向こうにある
この雪の彼方にある
「ほら、また、あのしずけさを聴きに行こう」