pretence

朝から暑いですね。産直の店だったかスーパーだったかにキュウリがないって聞いた。キュウリがないとお盆の時に先祖が乗るウマができないから「今年はコロナだから帰ってくるな」と言ってるのかなぁ。黄泉の世界も忖度しないといけないとなると大変だなぁ。カナダの詩人でイギリスでずっと暮らした人だけどFrank Prewettという詩人がいてね、もう亡くなってはいるんだがこの人が面白いの。精神を患っていたともいうけど強いストレスから逃れるために「自分はインディアンだ」と思い込んでいたって。Iroquois族だって。でも本人は本物のインディアンを見たことなかったんだってね。裸で馬に乗ったりもしたらしい。それで死ぬまで彼のファンタジーの中で生き続けたというから凄いよね。死んでからかな奥さんがねDNAを提出して調べてもらったらインディアンとは全く関係がないってオチがついてた。でも、なんだかいいよね。この話。

エスプレッソを飲むために
いそいそと
マシーンを火にかける
しばらくすると
ほろ苦いコーヒーの香りが
部屋を満たす
火を止めてカップに注ぐ
砂糖をいれていただく
口の中に広がる珈琲の
向こうに　あの詩人がいる
裸で馬に乗って
駆けていく
インチキインディアンめと
思いながらも
どこか羨ましくもあった