蝉の声より救急車の行く音が多いのではないかと錯覚する夏の朝。近所でなければいいがと救急車が去っていく音にほっとする。老人地区に住むとはこういうことだ。と模写をしながらそう思った。有名絵の模写は自分はあまりしない方だが時たまやってみたくなる時があって簡略系でなぞる。模写が直接自分の絵に影響して上手くなるということはないのでというかマネしても真似できない技術だからというのが本音か。だからなぞるような気持ちで描く。人物はともかく風景画なんかの模写をするとその人の絵に対する姿勢が伝わって来て驚くことが多い。当たり前のことだが誰も手を抜いていない。一見雑に見える絵でも計算されて描かれていることが分かって来る。これが模写で学べる一番の利点かな。あとは色使い。総合的にいえば「作品力」だ。やはり絵は見るために描くのではなく見せるために描くのだなと実感。模写をされるような有名な絵が共通して持ってるものは「繊細さ」だということが模写をして初めてわかる。よく見ると遠景ひとつ雑に描いてないんだから脱帽。こんな風に全体を統率出来ての作品力か。どこかの首になりかけの防衛大臣にも模写を勧めたいね。力とは何かがよく分かると思うよ。