
♪てんてん手鞠 てん手鞠
てんてん手鞠の てがそれて
どこから どこまでとんでった
垣根をこえて屋根こえて
おもての通りへ とんでった とんでった
(作詞 西條八十、作曲 中山晋平)
これは手鞠が紀州の殿様と旅し、紀州の赤いみかんになったという童謡の「鞠と殿様」の1番の歌詞。およそ80年前に作られたこの歌を知らない人はいないだろう。
大きさも柄も色合いも異なる百個余りの手鞠が小さな展示室に華やかに飾られ、そこは寒中とは思えないあったかな空気だった。言葉少なに観賞される方から時折小さなため息が洩れる。それは作品の美しさ素晴らしさから自然に発せられるように思った。鞠の展示は初めて見た。
芯になるもみ殻を包み、それを糸でまん丸に巻くとこから始まり、糸を自在に使って巻きあげ、表面を色糸で見事な柄に仕上げるまでの順を追っての展示は参考になった。
ゆっくり観賞していて約束の時間を忘れるところだった。
(写真:丸い気持ちにさせてる手鞠のいろいろ)