
夕方のTVニュースで「艦載機が来たら2万円貰えるんと」という市長選挙中の会話が流れていた。噂デマの1つとして聞いていたが本当だった。他にも聞いたり見たりした「汚い選挙」の例を挙げればいくつかある。
選挙権を得て1度も棄権したことはない。その中で汚いといわれる選挙を経験したり教えられた。今回はこれまでと同じいやそれ以上のものだったと感じている。どこの誰が考えて仕掛けるのか知りたい。
200メートルの山頂に築かれた岩国城は1608(慶弔13)年に完成した。その白壁の天守は桃山風南蛮造りの山城だ。ここからは眼下を流れる清流錦川と錦帯橋、城下町で暮らす庶民の姿が見えたろう。
今も変わらぬ城下町の風景がある。そして遠くに米軍基地が瀬戸内海を背にして見える。この基地への米空母艦載機の移駐が大きな争点となった選挙だった。結果は51対49の比率で移駐容認派の新市長が誕生した。街頭では移駐問題よりもばら色の財政支出主体に演説されていた。
岩国城は1615(元和1)年幕府の一国一城令により惜しくも取壊された。1962(昭和37)年に古図面を基に外観が復元され、観光施設として多くの人が訪れている。極東最大になるこの基地が原因で街が壊れないということを誰が保障出来るのか。
朝鮮戦争のとき、錦帯橋付近の民家へB29爆撃機が墜落し住民から死者が出た。あのときの黒煙は今も目に映る。戦だけはないようあの天守閣は岩国の守護として確り見守って欲しい。
(写真:確りと街を見守る天守閣)