
天気予報の通り夜明け前の空はどんよりしている。折りたたみ傘を持っていつものように早朝ウオーキングに。気温も前日より2度ほど高く気のせいか川風も生温い。
春には美しいトンネルを造る桜も若葉だが色は暗くてよく見えない。そのトンネルに沿って幅2メートルあまりの歩道が続く。その歩道をしばらく行ったところで引っかかった。
きのうは無かった蜘蛛の巣に顔を捕らえられた。蜘蛛にすれば外敵、いや侵略者の顔だろう。この時期になったのか、と思い歩きながら巣を除く。続けて3回巣に出くわした。
毎年この道では蜘蛛の巣に悩まされる。時には破れるとき「バリバリ」と音がする大きくて強い巣にも出くわす。私は彼らの生存権を侵略していることになる。
1部の蜘蛛を除いては人に害を与えないのに、見掛けの容姿によるのだろうが人間からは嫌われる。寂れた様子を伝えるとき放射状にはられた蜘蛛の巣を映すなど、いい場面には登場しない。
格闘蜘蛛は別として、家で蜘蛛を飼育する人はいないだろう。見つければ捕るか追い散らすのが一般的だ。この蜘蛛たちはハエやダニ、ゴキブリなどを食べるという。考えによっては益虫なのだ。
蜘蛛は人間が餌にならないことを知っているから人間を咬まないだろう。容姿だけで好悪を判断しない賢い人になれと教えてくれているのかも知れない。
(写真:蜘蛛の巣など見えない早朝の歩道)