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世界中で母に感謝する日、国によってその日付は違っているが、日本では5月の第2日曜。今年は「母に冷たく」というキャッチコピーを目にした。内容は冷気を感じさせる肌着など、節電に対応する品々という。扇風機も売れ筋という。これはクーラーの設定温度を上げて扇風機を使う、それで涼しくなり節電を図るという。
母を亡くして以来、母の日には、親代わりのような姉と、何かと気遣ってくれる義妹など、感謝したい何人かに鉢植えの花を贈っている。震災の影響で宅配が遅れ気味なので、他の何かを相談した。「気持ちは十分にもらったから、義援金としてその分、被災地に送ってよ。これからずっとね」と姉は言った。
これは新聞の投稿欄へ掲載された投稿の一部。投稿者は姉の意を受けて日赤へ送金した、これからもそうすることにした、と結んであった。これは「恩送り」と紹介されている。
「恩送り」、調べてみるとこんな説明が見つかった。誰かから受けた恩を、自分は別の人に送る。そしてその送られた人がさらに別の人に渡す。そうして「恩」が世の中をぐるぐる回ってゆくということ。
こんな説明もある。社会に正の連鎖を起こすこと、いわゆる「負の連鎖」の反対の社会効果をねらっている。「恩送り」では、親切をしてくれた当人へ親切を返そうにも適切な方法が無い場合に第三者へと恩を「送る」。恩を返す相手が限定されず、比較的短い期間で善意を具体化することができる、としている。
「恩返し」は使うが「恩送り」はじめて知った。こういう善意の広め方もあるのか、投稿を読み終えて感じた。恩送り、いつか出会ってみたい。
(写真:園児の描いたお母さんの顔、かお…)