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「足腰が衰えたら楽しみが半減するから歩け歩け」という。用事で近くに出かける時、往復2キロくらいなら出来るだけ歩くことにしている。晴れた日の散策は少し長い距離になる。
手ぶらで歩く時は運動だと意識し周囲をあまり気にしないように前を向いて進む。2千歩あまり歩くとこの頃でも汗ばむ。水気が欲しくなったときのために小銭は必ず持って出る。しかし、ほとんど必要としない。
たまにカメラを抱えて出ると周りのものに目移りがする。すると汗ばむことはなく、歩数計のカウンは上がらない。ジャガイモに花が咲いた、梅の実が大きくなった、雑草の中の1輪、青鷺の餌待ち、飛びかう小鳥、緑濃く生き返った雑草などなどきりがない。
下手な趣味でも、こうした目に入るものにカメラを向けファインダーからのぞきピントを合わせる。するとそこに小さいが自分だけの世界が現れる。それは高くて深い意味や芸術性は全くないが、自分のその時の思いを残したことになる。
ファインダーをのぞくと自分の腕にお構いなしにいろいろと思う。もった長いレンズが欲しい。綺麗だとおもう花を見るとマクロがあったら。そんなことは上手くなってからでいい、と自問しながら今日も道沿いの花を撮る。
(写真:いつも通り慣れた道もカメラを持つと少し変わる)