日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

二平葺

2013年02月20日 | 町かど
           

 吉香公園のロープウエー山麓駅そばに「旧目加田(めかた)家住宅」がある。これは江戸中期の18世紀中頃に建てられた中級武士・目加田家(禄高170石)の屋敷で国の重要文化財に指定されている。目加田家の造作には幾つもの特徴がある。その一つに屋根は入母屋造りで両袖瓦と平瓦を利用した「二平葺(にひらぶき)」と呼ばれる岩国独自の手法が葺かれている。

 両袖瓦は断面が緩いM字状で、重ね合わせの桟を両側に持つ特殊な形の桟瓦で、平瓦と組み合わせて二平葺として葺かれる。重量のかかる丸瓦に代わって17世紀後半の岩国城下で考案されたもの。岩国地方の瓦の産地は岩国市多田地区で、瓦師は西村、白井、平井家であったが1820年頃からは御庄の作左衛門(十時氏)が加わり4家で作られていた。(岩国検定テキスト参照)。

 このことは岩国検定の一員として学び、頭に収めていた。散歩では旧城下町、昔の面影の残る岩国七町もぶらぶらとよく歩く。幾度となく通り過ぎた旧家の門に「二平葺」のあることを発見した。二平葺は目加田家だけのもの、と思い込んでいたが違った。それは文芸評論家・河上徹太郎旧宅の向かいの門。その近くでさらに一カ所二平葺を見つけた。岩国検定の会に所属しなかったら決して気づくことなく、貴重な史料を見逃していたことになる。今さらながら岩国検定万歳だ。

 真白な漆喰壁に囲まれた旧家、そこに二百数十年前の岩国で考案された二平葺が残されている。これからもいろいろな発見があるかもしれない旧城下町、カメラ片手の散歩の楽しみが増えた。
コメント (4)
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