
伸びた髪を切ってもらうことを「散髪」、子どもの頃からこう呼んでいる。今も「散髪に行ってくる」と言って出かける。子どものころから世話になった散髪屋は高齢ということで閉店になり通えなくなり、今、世話になる散髪屋は子どもころから数えて2軒目、もう10年にもなるだろう。地元ごひいきもあるが、近くて店主の人柄がよく、清潔な好きな店なので世話になっている。
昔から思っていることだが、散髪屋には町中の情報が集まる。ご時世がらコロナワクチン接種、思いのほか皆さんはスムーズに接種出来ていて、ひどい副作用の話しは聞いていないという。運転免許返納を子どもに進められている95歳の一人暮らし男性は矍鑠とされていて、子どもの意をくむ様子はない。ああなりたいと思う、ハサミを使いながら生き方を語る。
特殊詐欺の話しから、「被害にあう人はニュースなど見ていないのだろうか」と気遣っている。現金を使わない現代の通貨の流れを気にする来店者は多いそうだ。昔は集金人が来宅、新聞、電気、プロパンガス、国民年金、ラジオ、水道。思い出せないくらいある。直接支払っていた。こうした人らが今でいう高齢者の見守り役になっていた。これだと特殊詐欺は起きないだろう。
散髪、してもらっている時はマスクを外している。出来るだけしゃべらないようにしているが、店主は話し好き、背中越しの会話は顔を剃り始めるまで続く。近くで何軒も閉まった。高齢化、客数の減などその訳はいろいろだろうが、組合でも若手の方という店主、長く続けて欲しい。