
なんの根拠もなく何となくふと「いつか来るだろう」と思ったのは昨年の秋だった。それは10数年以上使った電子辞書を買い替えるため選んでいるとき「子どもだって電子機器を使いこなし、アイディアを付加しているこのごろ、電子辞書は姿を消すかも」だった。
先日の購読紙の経済面に「カシオ電子辞書開発中止」という見出しで「スマホ普及やタブレット導入で需要減」のサブ見出しの記事が載った。電子辞書の出荷台数はピーク時の7分の1以下に減少した。需要低迷の理由はこうだった。政府の「GIGAスクール構想」で学習用端末が配布されたことなどから、電子辞書の機器を使う学生が急減したことによるとある。
電子辞書を手にしたのは「短い文章を書いて投稿し自己研鑽を図る」という同好会へ入会したのがきっかけだった。それまでは必要なら国語辞書を使用していたが、入会を機に購入したのがカシオ製電子辞書だった。それから十数年以上も便利に使っていたが、蓋の開閉が難しくなり、検索文字が入力できなくなった。そこで広辞苑第7版搭載のカシオ製電子辞書に買換えた。
その時に思ったのが「いつかくるだろう電子辞書のおわり」だった。その理由が報道では学習用端末の普及にあるというから、何となく思ったことが一足飛びに現実となったことに驚いた。パソコンを導入しIT化を薦め効率化を図る、40年くらい前に力を注いだことを思い出し、AIに次の変化はどうなるか問うてみたい。
(今日の575) キー打てば教えてくれるか我が道を