月2回の陶芸教室、制作は自由と課題の日がある。自由の日は字の通り各人が思い思いに作る。私は粘土と格闘するうえで苦手なことを指導員に質問したり、時には指導員自らが手本を示すのを参考にしている。
前回の課題は雛人形。季節的にもいいタイミング、女性のメンバーは何昔か前を思い起こしながら挑戦した。その素焼きが窯出しされた。目も口も鼻もないのっぺらな白い顔が並ぶ。見た目はちょっと不気味だが、雛人形らしい優しい姿は備わっている。
ここからが難儀な絵付け。髪飾りに王冠、十二単など細かな筆使いで仕上げる。特に顔の仕上がりは作品の良否に響くから、ここでの失敗は許されない。話し声のトーンが下がるのは真剣に取り組んでいる証だろうか。
こうして制作した雛人形、展示会では思いのほか人気がある。素人の作品ということは説明なしでわかる。その素人らしさが良いのかもしれない。姿も顔立ちも同じものは一つもない、「みんな違ってみんな良い」という絵葉書の評を思い出す。さて、雛人形はどんな愛らしい姿顔立ちで2回目の窯出しをされるのだろう。ひな祭りは3月3日。
優しい顔にしてくださいね
真剣です。