a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

理想主義を生きるということ。

2012-09-04 08:40:18 | 東京公演
誰もが生きることに希望を持ち、
自らの理想とする生活をしてみたいと思うだろう。
しかし、なかなかそうはいかないのが現実。

『大麦入りのチキンスープ』が母サラの物語とすると、
『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』は娘アダの物語だ。
子どもの頃からサラたち“活動家”の日常の中で育てられ、
人が人として生きること、
そのことを彼女なりに考え続けてきた。
その中で出会ったデイブとの恋。
同じ夢を描ける恋人との生活。
『大麦…』では、好奇心旺盛に大人たちにくっついていただけの少女が、
『ぼくは…』では、理想を生きるために都会を離れ、
郊外で暮らすことを実践する。

そんなアダを演じるのは、『大麦…』では永野愛理。

昨年研究生時代から『銀河鉄道の夜』の今年から劇団員となり、
男の子役に大抜擢され、今回の公演でもこの大役。
好奇心旺盛で、まだまだ知らないことばかり。
稽古場で飛び交う言葉に食いついていくのは、
まさに若いアダそのもの。
期待がかかっている。

そして『ぼくは…』で、アダを演じるのは桑原睦。

2月公演の『荷(チム)』では、
切なさと美しさの中ではかなく散った、
敗戦直後の日本に残された朝鮮慰安婦という難しい役柄を、
演出の坂手洋二さんの熱い期待に応えることができた。
これまでの殻を破り、大きく飛躍したと言える。
希望と挫折と、新たな出発という強さが要求される。
今度もまた、さらに飛躍していく彼女を見てみたい。


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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

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