空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

生活保護の支援を要するが、しかし同情が得られにくいような例をどう見るか

2022-12-12 19:55:06 | Weblog
 徘徊少女なら保護を!という声は理解されやすいようだ。しかし徘徊老人をといわれたらちょいと微妙さが増えるかも。では次のような例では。

神戸新聞 31歳姉の遺体遺棄した妹弟 頼りの親族相次ぎ失い、生活保護も絶たれ… 誰からも気付かれなかった同居生活 2022/12/01

姉=当時(31)=の遺体を隠したとして、死体遺棄罪に問われた妹(31)と弟(29)の判決公判が1日、神戸地裁姫路支部であり、裁判所は2人に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。わずか20平方メートル足らずのワンルームマンションの一室で、姉の生活保護を頼りに暮らしていた3人。蒸し暑い日が続いた今年9月、妹弟は12日間、この狭い部屋で遺体と生活していた

妹は中学卒業後、飲食店などでアルバイトを続けていたが、3カ月程度で退職。弟も高校を中退した後、運送会社などで働いていたが長続きはしなかった。2人とも無職の期間が長かった。そして、姉は実家近くの姫路市内のワンルームマンションで1人暮らしをしていた。統合失調症を患い、自分で食事の用意などができず、母親が自宅から通って世話をしていたようだ

 そして姉のところに2人して転がり込み、するうち姉の病気が悪化。扱いきれなくなってベランダに出して放置…する時間がだんだん長くなり…そのうち姉がベランダで死亡。

姫路市生活援護室によると、30代前半で、無職の1人暮らしが受給できる生活保護費は家賃分を除いて月約7万4千円という。これが3人の生命線となった

 「ねえ(姉)は日に日に痩せていき、動かなくなっていった。ごみ袋をあさったり、突然、笑いだしたりもした」

 夏には、姉はほとんど会話ができなくなっていた。一日の大半を寝て過ごし、起きてもごみを室内にまき散らすなどする。何度注意してもやめてもらえず、そのたびに妹弟は2人で片付けた


そして、2人は姉をベランダに追いやるようになっていく。最初は1日1、2回だけ、長くても2時間程度だった。だが、だんだんと頻度は増えていき、8月下旬には姉はほとんどの時間をベランダで過ごすようになる

 …ベランダから飛び降りるまでに正気を失えれば、また別だっただろうか。それとももはや体力が持たなかったのだろうか。

9月3日。外出先から帰宅した2人は、ベランダで倒れている姉を見つけた。2、3日前に外に出したきりだった。声をかけても反応がなく、既に冷たくなっていた

 「中に入れてあげたいんやけど…」。妹が弟に声をかける。姉の遺体を部屋の中に運び込み、毛布をかけた。そして、氷枕を頭の下に敷いた

 そして12日後に発見・発覚。

傍聴席に2人の親族らしき人は見当たらなかった。だが、生活困窮者を支援するNPO法人の関係者の姿があった。弁護士らによると、執行猶予付きの判決が確定すれば、2人は法人のサポートを受け、当面は生活保護の受給をめざすことになるという

 とまあ。作文のやりようによっては情状酌量の余地のないように書けもするだろう。こうした例についても「支援が必要である」と断言し、また支援活動に従事できるかどうか。そうした運動に支持できるかどうか。なかなかに試されることである。
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