空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

まずは警察さんのお仕事を俟つ、だろうか

2016-01-28 19:23:34 | Weblog
 ここしばらくのメモ。

朝日新聞 甘利氏「隠し録音や写真が目的の人たち」 金銭授受疑惑 2016年1月25日21時46分

甘利明経済再生相は25日の記者会見で、「週刊文春」が報じた金銭授受疑惑をめぐり、金銭を渡したとされる人物について「最初から隠し録音をしたり、写真をとったりすることを目的にした人たちですから、こちらは慎重になっている」と述べた

自民党の高村正彦副総裁が23日、「(甘利氏が)わなを仕掛けられた感がある」と述べたことに対する受け止めを問われ、答えた

 この記事は、できるだけ当人の発言を伝えようという種類のものだろうが、朝日がこのような編集で表に出しているのはちょっと大きいか。甘利氏と高村氏は、この記事に見る限り、『正面から喧嘩を買わせていただきますが、いかがでしょうか?』状態にみえる。

毎日新聞 ゲスの極み=山田孝男 2016年1月25日 東京朝刊

一見、捨て身と見える告発者の所属企業は実態不明、あらかじめ紙幣番号を複写した札束を渡すなど、暴露を前提にした仕掛けにあざとい印象を受ける

甘利自ら現金を受け取ったとすれば、申し開きの余地はない。受け取っておらず、秘書がカネをくすねたのだとしても監督責任は免れないが、悪質さの評価は事実関係による

 秘書が受け取ったのです、というのであっても、やはり議員の関与の度合い等々でいろいろと考慮すべき点があろう。

朝日新聞 甘利氏疑惑に小沢氏「事実なら、司直が捜査すべき問題」 2016年1月22日22時39分

 小沢一郎(生活そのほか)代表曰く「一部のマスコミで言われているのが事実であるとすれば、司直の手できちんと捜査すべき類いの問題だと思います。事実だとすれば、甘利さんは刑事犯罪と言うことになっちゃいますし」。

 先達の言葉は重い。

BLOGOS 甘利氏疑惑 議員辞職が当然/首相「盟友中の盟友」/任命責任は重大 しんぶん赤旗2016年01月22日 09:31

口利き疑惑が事実であれば“あっせん利得処罰法”違反になります。あっせん利得処罰法は、自らの職務と関連のない事項について、議員や閣僚などが自らの地位の影響力を行使して、金品と引き換えに便宜を図り公務の公正と信頼を害する行為を処罰するもの。収賄罪の抜け道を罰する重大な刑事犯罪です。法律上の刑事責任と政治的責任は全く別で、政治責任はいっそう厳しく問われます。疑いをかけられただけで閣僚も議員も辞するのが政治家としての当然の責任です

 ここで「疑いをかけられただけで閣僚も議員も辞するのが政治家としての当然の責任」は、攻撃側としては当然だが、防御側に立つ時を思えば慎重な言葉遣いをすべきところがあるかもしれない。

 …いやだって、謀略を仕掛けられたら…と思ったら。それでもやっぱり、”疑いをかけられただけ”でも辞職すべきなんだろうか。少数派にとって、それは厳しいルールではないか。
 テンプレ記事書いてすますのではなく、いちいち精査すべきではないかなあとは思われる。だってこれ、疑惑発覚からわずか1週間もなく、反転攻勢への用意をしてるよ…。ちょっとこれ、風向きがいつもとちがう。

毎日新聞 官邸崩壊の始まり カネ醜聞 甘利爆弾炸裂 「安倍カレンダー総崩れの危機」 2016年1月27日 Texts by サンデー毎日

 内容はまあ妥当で、ほぼ、こういう場合の典型的な作文と言うレベルに留まるが、数少ないおもしろいポイントは冒頭の「野党の体たらくで順風満帆に見えた安倍政権が、甘利明・経済再生担当相の「ワイロ疑惑」で、いきなり黄信号が点滅だ」と見る。

 …『野党が無能で助かってますね☆』というに等しいのであって、”賢くなさげ”というところでは定評がある―菅と甘利と…で持っている観があり、かつ当人もわりとソレを自覚して甘利を守ろうという男気を見せているらしい―首相について『野党は君をバカといっているが、彼ら自身がそれ以上ですからねえ』ということになり…野党にとって大変に体裁がわるい表現である。

日経ビジネス 「甘利さんは守る」盟友の危機に強気の安倍首相 株価も乱高下、国会審議は大揺れ必至 安藤 毅 2016年1月26日(火)


日経新聞 秘書が300万円を私的に消費 甘利氏が説明 2016/1/28 18:11

 本日午後の記者会見で甘利氏が「「日本経済は15年続いたデフレ脱却に向けた瀬戸際にある。重要法案の成立に向けた阻害要因は取り除いていかないといけない。もとより私もその例外ではない。本日ここに閣僚の職を辞することを決断した」と語った
「自分自身なんら恥じることはしていなくても、国民の政治不信を秘書のせいと責任転嫁することはできない。私の政治家としての美学、生きざまに反する」と述べ、辞意を表明した

 日本的な責任の取り方をすぱっとしたということで、一定の評価を受けるだろう。

 おカネの出入については500万を受領し、うち300万は秘書が個人的に消費したとし、「自身が現金計100万円を受け取っていたことも認めたが、政治資金として秘書に適切に処理するよう指示したと述べた」。自身の関与についても一定程度明確にした点、単に「秘書がやりました私は知りません」式でない。

 まあその、金額がざっくりしすぎではあるし、こうまで言われたらこの秘書氏の個人的犯罪というわけで、追及が激しいだろう、まずは主にこの秘書さんに対して。その過程で別件等々でるかもしれず、まずは警察さんのお仕事を俟つ、だろうか。

BBC Japanese economy minister Akira Amari quits over bribery claims 28 Jan 2016

 個人的には賄賂を受け取っていないと主張するものの辞任する―なんであれこの国の経済再建の妨げとなるものは除去されなければならない、それは私自身も例外ではない―という、気骨を感じさせる言葉も引用されており、その点ではむしろ好意的とさえ言ってよいだろう。

 ま、政権に対する重大な打撃であるのはそのとおり。

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