訃報・前大統領Abdullahi Yusuf Ahmed死去

　ソマリア暫定政府初代大統領Abdullahi Yusuf Ahmed氏，死去。享年77（但しBBCの記載に従う）。

BBC Somalia's ex-leader Abdullahi Yusuf dies in exile 23 March 2012 Last updated at 13:18 GMT

　彼は嘗ての軍閥の長。2004年に大統領に選出されたが―任務であるソマリアの和平は果たされず仕舞いであった。権力闘争に一応勝利し続け首相を挿げ替えなどしたが，2008年には辞任，Sheikh Sharif（現大統領）に位を譲り渡した。

　そののち―イェメン，サナアにあってソマリア国政に干渉しようとしたなどとも報ぜられたが―アラブ首長国連合に住まいを移して闘病生活を送っていた。

　BBCの記事の小見出しにはControversial figureなどとある。故郷であるプントランドでは人気のある人物ではあったが，しかし評価の揺れる人ではある。2006年のエチオピアによるソマリア介入は彼の政権の下で起こされたことだ。この攻勢はソマリア暫定政府に（イスラム法廷連合を排除して）首都ソマリアを入手せしめたが―

　―少なくとも潜在的には最大の敵とみなされるエチオピアの手を借りての事業には批判が大きい。最終的には，そうまでして排除したはずの（しかし穏健派の）Sheikh Sharif Sheikh Ahmedに地位を譲る格好になった。ならばあの流血は何の意味があっただろうと，そう非難されもしよう。

　功罪半ばするのではあれ，しかし苦難の時期を最高責任者としてになったひとである。その50年ものキャリアにも敬意を払いつつ，まずは哀悼の意を表したい。