科研費補助金って、疑惑を指摘した人をバッシングしないといけないアンタッチャブルな補助金だったのか??却って不自然さが満載です。
— あやか (@ksrgayk) 2018年12月17日
不自然なのはむしろ…という思いを抱く中の人である。あれは陣笠議員が生きるネタをさがしてあっちこっち探っていた、その一例であり、取れ高がなさそうなんで撤退しただけだろう。延々つっこんでも、それこそ取れ高ないのと違うかな。
池内先生が、まあ、いつもながらのご苦労なお話をしており:
文系の科研費なんて採択されても研究室をギリギリで動かす資金になるだけですよ。週1日、最低賃金でバイトを雇って膨大な事務作業をやってもらうとか、それぐらい。科研費プロジェクト一つあたりに実際に何人が関わっているかを知れば驚きますよ。メディアに踊らされてはいけません。 https://t.co/W2IYQiE50o
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2018年12月17日
ぶっちゃけほぼ全面的に端金なので、不正なんぞする余地も碌々ないし、やれてもめっちゃ端金なのでどうしようもないのです。
余地があるとすれば、分かりやすくは旅費の可能性。
もちろん、20年以上前にあったらしいカラ出張はもはや(会計システムに介入できるような大物でもなければ―そんな大物ならほかで稼ぐだろうし)ほぼ不可能で、こんな手口になる:1) 自分の本務校の旅費規程をたしかめる、2) 一晩あたり10000円の定額支給であることを確かめる、3) 一晩あたり1800円のカプセルホテルに泊り差額の8200円を浮かす、4) 日当の額を確かめる、5) 1800円であれば、現地での移動費をそれ以下におさえる(※そもそもタクシーは使えないので、JRで130円の距離を歩くとか)。6) 現地での食事費は日当で対応しているはずだが、現地では食事しない。以上の手口で、一泊二日で8200+(1800*2)=11800円儲かる。
やれるもんならやってみろ。
…東京だったらぎりぎり可能かな。
…まあ、まずムリダナ(エイラ)。「東京・上野・カプセルホテル」で検索しても一晩3000円はかかる。まあ、そこ起点に東大に徒歩で行って、学会発表だけして、懇親会にも出ずに帰る―夕食は家からもってきたお握りかカロリーメイト―なら、まあ、10000万円くらい浮くとか書こうとしたが、カロリーメイトを買って準備する時点で余計な出費になっている。
ムリダナ(エイラ)。
体がもちません。
さすがにそこまでの削りようは、現代日本的には非人間的というか、非現実的ですので、まあ私だって8000円くらいの宿をとるわけです。そして1) 初日の昼ご飯でざっと1000円、(2) 懇親会費は、まあ当然の如く私費、晩御飯代として支出)、3) 宿との移動の電車代、4) 翌朝(、朝食は宿のサービスを利用するとして)宿から会場までの電車代、5) 翌日の昼食、6) 発表等々が終わったあとのカフェで軽く討論が出来たらステキだが、まあともかく7) 帰宅は深夜になるので、晩御飯を軽く…
…で、規定額は使い切りますな。いやカフェなんて贅沢なもんをするのは学者として不埒であるという見解もありえますが、一杯450円のコーヒーと350円のケーキをというのは、国民の負託に反する行為と断ずるには、あの、ちょっと。
いえ、貧乏学者生活がなかがったから、そのぶんで文庫か新書を買って知識増進につとめろ、という意見には、まあ、かなり同意するんですけど、その行動様式を押し付けるわけには。
…ああ、新幹線を、指定席で乗ると宣言しておいて自由席で…とか、東北から東京に出る際に東京まで行かずに上野で降りて、という手で多少ナントカする余地がでるが、だから体が持たないと。
まだ言ってるのか。文系の科研費なんて一人当たりごく少額で、かつ大学事務局が一円単位でチェックして支出してるからそれで政治運動やるなんて無理。政治資金規正法がザルで自前で管理してるから、同じことやっていると思い込んでいるのでは。全く違うよ。 https://t.co/GutvXO9Mas
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2018年9月22日
これに尽きる。【大学教育への批判は、批判する本人が20年以上前に自分が受けた教育が、現在もそのまま行われているという想像のもとで行われていることが多い。現在の大学教育では、シラ... #NewsPicks https://t.co/2uLmuJFrUl
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2018年8月25日
池内先生の奉仕活動、延々なされているようで、これが無料でなされていることの意味を無料で見ているひとたちは多少考えてもよいと思うが、まあ、うん、その…。
メモの奥底にさらに他の例の記録もあり:
国際会議・研究会とか言ってますが、学会ですよね。交通費も宿泊費も個人(個人の所属機関)持ちです。会場費はかかりますが参加費も徴収しますよ。懇親会も有料です。要旨集を作れば広告を載せて広告代を集めます。旅行社を噛ませれば喜んで交通や宿泊の手配をします。主宰者の莫大な出費などあり得ない
— 夏山谷一朗 (@tnatuyama) 2018年5月13日
どういう領域の国際会議・研究会なのか、という。学生生活をして、他学部の友人がいれば、よそさんがどうかということくらいは知ることができるので、まあ友達がいなかったひとなんだろーなーとか思えますな、上の例は。
これについては同志殿のお言葉を想起した:
Twitterらんど、個々人が半径5歩の人間関係を『標準』に設定して議論をする悪癖が今日も観測出来てあれげ。ちなみに僕的には、興味深い現象で見ていて飽きないんですが、社会的には大分断で大問題なんじゃないですかね……(?´.ω.)(.ω.`?)皆、愉悦勢なの?
— 同志カルロ・ゼン@カフェイン (@sonzaix) 2018年5月7日
で、普通の文系方面としてはこう回答することになる:
これ一行ずつことごとく間違っていますので、大学に詳しくない人は信じないでね。科研費で行う国際会議・学会は常設の学会とは違いますし、外部から招待する報告者の交通費・宿泊費は主催者持ちなのが普通です。参加費は徴収しません。懇親会はもちろん有料で科研費からは支出されません。広告はない。 https://t.co/Mmj0kWUHCj
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2018年5月14日
掲載広告を募るような活動はなく、こうした会議が開かれることを一般社会全体に大公報するようなリソースも必要もないので、ふつうはひとにしられずに終わる。そりゃそうだろ、専門家の専門領域に関する報告・討議の会なんだから。
文系にはその種のものがあるのかもしれません。しかし、新しい知見や情報を得る、自分の研究を評価して欲しいから手弁当でも学会に参加するのです。交通費や宿泊費を負担しないと来てくれない研究会にどれだけの価値があるのでしょう。科研費の無駄遣いでは。懇親が目的?
— 夏山谷一朗 (@tnatuyama) 2018年5月14日
…別に呼ばれなくても既に自分の説が正しく、強力で、読まれるべきであると知っており、かつその方針の研究に忙しいひとに「はははっ! 君は君の研究がもっと人に知られたいと思っているんだね! 僕の研究会に来て、発表してもいいよ? 当然、自腹で来なよ? 君は君の説が広く知られるだけで満足なんだよな! さあ来なさい、×月○日の11時から時間を空けておいてやるから」といって快く来ていただけると思っているんだろうか、とか思った。
が。
ああ、伝え聞くテレビとかメディア系の人たちってこういう思考をしているな:
1. まず第一に、仕事の基本事項ですが、時間を守りましょう。私が取材を受けるとき、開店時間の2時間前に来て用意をしております。半数近くのライター様が時間に遅れてやってまいります。インフォーマントの時間を使っていることを忘れず、まずは遅れない、最低でも連絡をすることを心掛けましょう。
— 眞踏珈琲店公式 (@mafumicoffee) 2018年4月20日
会社員が出張を自腹で行くことはないよ。こういう無茶なことを言っている人たちが科研費に文句をつけているのだと社会的に知らしめるいい機会だから、もっとどんどん書いて来てください。どんどんリツイートして第三者に知らせますから。 https://t.co/B2Kn20LAPp
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2018年5月14日
メモが出てきたから追加しておく:
科学研究費についていくつか考えるところがあり、久しぶりにブログに独り言。 https://t.co/JgioGVZfaU
— Ken Endo 遠藤 乾 (@ken_fiore_endo) 2018年5月6日
これに対して面白いコメントがあり:
6億円の使途、速やかに公開願います。
— 国壊 観測 (@KentaTakaki) 2018年5月6日
研究の成果なんて、どうでもいいです(学問の自由は当然尊重しますよ)
これこれだから、6億使いました。それだけ。何故言えないのですか?
誰も1円、10円までの金額言ってませんよ。招いた学者等は、最高の売れっ子芸能人並のギャランティを払ったでも!
研究計画を提出し、研究成果を出し、それを出版したことを述べたのに対して「研究の成果なんて、どうでもいいです」というスゴイコメント。
たとえて言えば、『プリキュア新作コンペですね。スマイルを提案します。結果としてはこうで、纏めてBDを出しました』に対して『映像なんかどうでもいいんです』という反論はアリだろうか。
研究をしますといってカネを貰い、研究をして、その成果を論文等々に出し、一般向けには本を出し。これこれしました、という答えにたいしてに「これこれだから、6億使いました。それだけ。何故言えないのですか?」って、既に言われたでしょうに。
学術活動に使いました、というのに対しての返答が「研究の成果なんて、どうでもいいです」。根本的に学術活動を許さないという態度にみえそうだが、しかしご本人の主張は「(学問の自由は当然尊重しますよ)」。
…発言、前後一文ずつで矛盾している、相当にスゴイ文章。
…たかが6億を数年分割・数人で分割し、ひとり年あたりさほどでないところ、それを「最高の売れっ子芸能人並のギャランティ」と評価できる金銭感覚もヤバげであり(6億÷5年÷5人というむっちゃ概算でもひとり年240万、なお間接経費をひかれてさらに少なくなる)、算数から教えなおさなければならないあたり、我々の任を超えると考える。
あと社会人生活をちょっとするか、かるくバイトしてみると、金銭感覚が身につくと思う。お勧め。
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