空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

UICとal Shabaabとの間に意見の相違が:ソマリア

2008-10-05 19:40:58 | ソマリア関連
 まず要点だけ説明しましょう。
 アルシャバブ(『青年』党,特に南部ソマリア本土で優勢なイスラミスト民兵グループ,本来はイスラム法廷連合の青年武装部門)はモガディシュのAden Adde国際空港の運行を妨害し続けており,これは当然,通商等々に大なる不便を齎しています。

 これに対してUIC/ARSの指導者たちは非難の声明を発する。念のために言い添えれば,この場合UIC/ARSというのは過激派(エリトリア派)・穏健派(ジブチ派)双方のことです。

 結果,イスラム法廷系統の民兵とアルシャバブ系統の民兵との間の緊張が高まり,両者は戦闘に入りかねない―on the verge" of open hostilitiesと情報筋が語る由。

 なお南部キスマユ港はアルシャバブ系が確保したとのこと。両派は戦列を分け,キスマユを中心とするジュバランドからイスラム法廷系列の民兵は追い出されたとも言われます―これに対する返報として,イスラム法廷系列民兵は,首都モガディシュ中央商店街バカラ・マーケットからアルシャバブを排除した由。

 アルシャバブとしては,国際空港は敵の補給物資・援助物資の入り口で,これはその正常な運用を妨げるべきものということになります。

 ですが,一般商人にとってみれば,商売の種の入手ができなくなるわけで―アルシャバブの振舞いは経済活動の破壊にほかなりません。

 そーいう「おとな」の世界のことを,アルシャバブはもっと理解すべきであったでしょう。

Garowe Online Somalia: Islamic Courts, al Shabaab 'on verge of war' 4 Oct 2008

Garowe Online Somalia: 5 killed in Mogadishu as airport bombed Oct 4, 2008

 アルシャバブは今日も元気に空港に攻撃を仕掛けているでしょうか。
 民家への誤爆は,一応政権側のせいにされているようですが,まぁアルシャバブの線も否定できません。アルシャバブの砲撃能力は割と優秀なようではありますが。どっちみち,迫撃砲なんてもの市内で使えば民間人犠牲者が出るのは当然ですから。

Garowe Online (AFP) Somalia Islamists rename Kismayo airport Oct 4, 2008

 キスマユでは,イスラミスト政権が空港の名前を16世紀の伝説的聖戦士の名前に変えるといっているそうです。ほかにすることあるだろう君ら。海賊対策とか。

Garowe Online 2 civilians killed in Baidoa as mortars target Speaker's residence Oct 4, 2008

 バイドアでは議会議長宅に迫撃砲攻撃だとか。民間人2名死亡。バイドア情報局Ibrahim "Kuwait" Sheikh Hassan大佐が暗殺された,などともあります。最近,バイドアでの暴力騒擾は控えめでしたが,またテロリスム的事件が起こるようになりましたね。

 数ヶ月前までは,周辺都市を次々陥落せしめ,さていつ議会所在地に大襲撃が―などと思えたほどですが(実際は守りの弱いところをつぎつぎ落しては離脱,落しては離脱を繰り返してたわけですが)…エチオピア軍が割りになりを潜めているにしては,割りに地味なテロ活動ですよねー。

 仇敵エチオピア軍の撤退日程が現実のものとなりかけているこの時期です。
 それでもなお,商業活動を諦めても,闘争を続けねばならないのか? アルシャバブがそうした疑問を持っても,まぁ悪くはないでしょう。というか持て。

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