空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

なんだか市民軍だなんてことを言う人がいたんだけど

2007-10-12 08:46:48 | Weblog
 遊泳してたらこんなとこに行き着いた。長文で読む気にならん。

 つまり『全人民を武装させたら,予備兵力最大限で自国を守るため全力を尽くすはずだから国防するって限り最強じゃない? 常備軍? だめだめ,あれは数足りないし,金で雇われてるんだから事が起これば逃げに走るよー』ということなのかな(→追記3)。

 でも常備軍ってふつーその国の国民で構成してないか。
 彼らは祖国の為に戦うはずがありませんかそうですか。
 で人民だったら,給料も貰えず武装は貧弱,練度も劣ってるけど,しかし郷土防衛のため戦意旺盛ですか。

 で,その戦意旺盛な人民軍を維持する食料はどこから?
 いやまぁ,鋼の精神と不屈の肉体を持つ無敵人民軍兵士が肉弾でエイブラムス戦車を撃破し,竹槍でF-15を撃墜すると信じてもいいんですけど,霞食べて戦争するわけにもいくまい。

 つまり手持ちできる程度の装備で主力戦車を打ち砕き,戦闘機を撃墜し,銃弾砲火に揺るぎもせず,かつ食糧が不要な歩兵が用意できれば軍隊なんか不要ってわけでしょうか。
 うん,不要だと思う。あとはそんなパーフェクトソルジャーを作り上げる政治形態か科学技術かを開発するだけだ。

 というかですな。
 折角軍隊なんてものを作って,暴力の行使だなんて物憂い仕事を押し付けていられるのに,なんでわざわざ市民の武装なんてこと思いつくひとがいるかな。そんなに銃器が好きなのかな。そんなに戦争好きなのかな。

 ならさっさと自衛隊にでも入隊すればいいんじゃない? 銃器,触れるよ?
 撃ちたいだけなら海外にいけば,お金払えば撃たせてくれるところ,あるよね?
 人殺ししたいなら,それこそ紛争地帯に行きなよ。撃って撃たれて大満足でしょ? いや撃たれるほうがさきだと思うけど。

 そーゆー趣味に,他人を巻き込むなと。こっちは人殺しなんかしたくないし,人殺し用の訓練だって御免被るんだってば。しかも全人民に軍事訓練強要ですか,もしかして? いや全く,不自由なことだ。

追記。
 なんだか向うさん,自衛隊は職業軍でありながら市民でもあってとか言ってた。つまりプロフェッショナルアーミーとマスアーミーっていう,冒頭の設定はまったく理論的な仮構のものなんだな。だから,『現実のプロ軍隊って普通,国民軍なんじゃない?』という異論は無効だね。『お金で雇われる軍隊』ってところに着目した分析概念なんだから。

 ん。純粋に理論的話としてみれば,まぁそんな感じじゃない?という感じなのかも。でもそこに自衛隊だのナポレオンだのと現実的な名詞が出るから混乱しちゃう。

 とりあえず,郷土防衛のため市民よ武器を取れ! 汝が祖国,郷土を制圧せんとする侵略者来たれり! 敵は多数,武器は有力,戦車も装甲車も飛行機も向こうにだけあり我等にあるはテクニカルとロケットグレネードと自動小銃,何よりも郷土防衛の熱き思いである!(土地勘も充分ですね)

 …なんてノリで首都で破滅的大市街戦やらかして40万だかの避難民をつくり人道状況はダルフール以下とまで酷評されたとある失敗国家の話があるんですけど,そうした現実を前に理論はどう答えるのか,興味がないわけでもないです。いや具体的に言って今年4月のソマリア,モガディシュですけど。

 若い女性は避難途中で性的暴行の対象となり,子供は逃げた先でコレラやなにかにかかって脱水死し,アフリカの太陽から逃れようと木陰に入ろうとしたら料金を取られ,国連の援助食糧を頼りにしてたら食糧緊急援助船をハイジャックする連中のせいで補給が途絶え,何とか親戚の家の庭の隅に小屋作って落ち着いたかと思ったところに流れの迫撃砲弾が直撃して一家全滅したり,それくらいなら首都にいたほうがましかといえば子供部屋にやっぱり砲弾が飛び込んできて子供の足を吹き飛ばしたり,してましたが。

追記2。
 あと,暴力行使だなんて憂い仕事を押し付ける云々,というのも,彼にとっては問題外な意見なんだと思う。そうした憂い仕事も引き受ける,自覚ある市民であってこそ理想的な民主主義が云々。
 でも食糧生産から逃げてもダメだよね。工場労働を誰かに押し付けてもダメだよね。教育を誰かにやってもらってもダメだし,政治を預けるなんてもってのほか
 …ってことにならないのかな。僕は頭,まわらないからわからない。国防だけは別格なのかな。しかし食糧生産とか,その,あの,国防を下支えする活動は国防上不可欠な気がするんですが。

 まあ,理論的考察にあんまり現実的な懸念を持ち込んでも面白みは欠けるだけかとも。

追記3。
 うん,プロフェッショナルアーミーなるものがある理念的存在であることは判った。お金を貰って軍事を担う存在,だね。で軍事的衝突が起こると命よりお金を優先して逃げる恐れがある,士気の点で問題がある存在であると(対して人民軍は士気が高いという点で特徴的)。
 …それはプロといえるのかという,まぁ日常語的な批判もあり得るかと。
 んで,「危なくなると逃げ出すプロフェッショナル」を雇ってくれる顧客は確保できるんだろうかだが。

 …これって正確な軍事用語を用いた論説なのかな? 専門用語が多くてわからないよ。なんだか概念の理解が追いつかないです。
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