空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Islamic State:Palmyraの劇場での虐殺の件

2015-07-05 23:09:12 | Newsメモ
BBC Islamic State 'murders 25 men in Palmyra' 4 July 2015

産経新聞 子供兵に撃たせて…世界遺産の円形劇場、シリア兵25人銃殺の映像 ネットに公開 2015.7.5 15:54

シリア中部の世界遺産、パルミラ遺跡にある円形劇場で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の若い兵士らが、シリア政府軍兵士約25人を銃殺する場面とされる映像が4日、インターネット上で公開された。銃殺した兵士らは顔つきが幼く、米CNNなどは10代の子供兵とみられると報じた
政府軍兵士らを地面に座らせ、子供とみられる兵士らが背後から頭部を銃撃。劇場に座った数百人の人々がこの様子を見守った

 あー、円形劇場の新しい使用法が発見されたかー、というか、2千年前の使用法を現代的に復活させちゃったかー、と言う感じー…。

 …というか、きっとIslamic Stateの西欧への歪んだ愛情がなせる業かとも思う。『西欧の連中が愛する古代遺跡とやらを、俺達はお前達の仲間の血で汚してやったぜ』的な。

 ともあれ。犠牲者はHomsで捕えられた兵士達といわれる。アップにされたその顔には、殴打された痕跡が見られる―ともある。…まあ、その、「捕虜を取らない」式の人たちみたいだし、どうせ殺すとなれば虐待の三つ四つはするだろうし…。

 映像のスチールからは、どうも殺害者たちは13から14歳に見えるという。

 …映像の日付は不明。一応、パルミュラ陥落後に虐殺が行われたとは言われるが、それと同じものかどうかは不明。

 シアターで虐殺を行った―と言う件の報道はこちら:

BBC Palmyra: IS 'kills 20 men' at ancient theatre 28 May 2015

 こちらでは「20名をUNESCO世界遺産のパルミュラの円形劇場で殺害した」という。民間人が駆り立てられて殺害の様子を見物させられた―というのである。彼らは、親シリア政府軍勢力とともに戦ったことでとがめられて―というので、もしこの報道が正しいなら、soldiersと名指されているらしい伝Homsでの捕虜とは別ということになる。

 で、door to door作戦で政府軍兵士を狩り出している…という。

 となると、断続的に(あるいは、集団虐殺にほどよい規模の捕虜が出来た段階で順次)虐殺をしているものと思われ、撮影時期について云々するのは、素人には概ね意味がないことと考えて問題ないように思う。

 あと、Palmyra陥落前後からざっと240名ほどが虐殺され、その中には女性・子供70名ほども入っているらしいが、これはちょっと特徴的かとも思われる(普通なら、性奴隷なりなんなりに”使用”するだろうに)。

 なお、上の記事によれば、パルミュラ制圧後、Islamic Stateの兵は博物館のドアをロックし、護衛を置いたという。―ということは、小物の遺物は売れるから、下手な下級兵が破壊とかしないように上層部の命令で封鎖したものか。

 あと「これはひどい」あるいは「おわってる」な話:「But it said it had received reports that Syrian forces based in Palmyra had prevented many others from leaving」。一応、20万人ほどの人口の1/3ほどは逃げおおせたらしいのですけど。

産経新聞 「女性は性の対象物」インド人元メンバーが供述…“性奴隷化”を知り組織を離脱 2015.5.21 18:39

21日付のインド紙インディアン・エクスプレスは、シリアやイラクで勢力を広げるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に加わり、帰国後インド当局に拘束されたインド人の男が、男女を性奴隷にしている実態を知ったことがイスラム国を離れた理由の一部だと供述したと伝えた

 いやもう、報道されてきた内容からして、支配下人民を任意に性奴隷化しているのは容易に推測されるので、わざわざ行ってまで確認することでもないとは思うのだけど。

また、インド人を「2級国民」扱いする「露骨な差別」があったとし、「アラブ人は本当の戦士として扱われているが、インド人は戦闘に参加できない。支援要員にされた」という

 露骨な差別はいけないことだが、前線の英雄になれなかったことに不満の大きな原因があるようであり、それはそれであまり感心しない。
 いやまあ私だって二線級扱いはイヤだけど。それでもくじけずやってきたのは、仕事は正当に評価され、実力実績で一線級扱いを要求できるようになれるからではある。公平な競争が保障されてはいるのである。

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