空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「リビアはこの世のものではないのではないか」

2018-03-19 10:50:41 | Newsメモ
BBC Migrant slavery in Libya: Nigerians tell of being used as slaves 2 January 2018

 EUの海軍はリビア沿岸警備隊と見事に連携して渡海難民を減らすことができた。しかし南方等々からの移民希望者はリビアにあつまり、そこで行き詰って、そして彼らは奴隷として使用される境遇に落ちる―。

リビアは人身売買をめぐって逮捕状を出す(2018-03-15)」の話題である。

Mr Uwumarogie and Mr Efe were forced to work harvesting onions and feeding cattle. They slept in a plywood hut and were guarded day and night by men with guns. They were never paid

 イメージは、太平お花畑の我々にはつきにくいが、ナチスの強制収容所を想起すればよいのではないか。とりあえず私はそれでイメージした。看守やなんかの「オトモダチ」に貸し出されてきつい労働をさせられて、見張りは銃をもっていて、お給料は払われない。

 まあその、収容所の運営自体がすでに問題であるかと思われ、「最低限」(と称するだろうもの)の食料等々を確保するためにも労働力の貸し出しは必要なのだ―といういいわけくらいは用意していると思いたい。

 とりあえず、衰弱死を前提としない分、ナチスの強制収容所よりましかも、と思おうとしたら

He is clearly not well. On the farm they were only given food every few days, he said, and sometimes given sea water to drink
After six months they and five others were loaded into a pick-up truck and taken to the desert.

 …労働不適格者は砂漠にdumped!ということらしく。
 …うんまあ、ナチスのほうが、最後のひと絞りまで搾取しつくそうというあたりが非人間的な合理性をしめしていて新しい野蛮だよねというにはいえるが、もうどっち道、どの方向かの地獄には違いないなと。

Stories of black slavery in Libya have been circulating for the past two years. But the number of accounts we heard from recent returnees seems to suggest it has become endemic in the detention system

 とまあ、detention systemと表裏一体のごとくになって闇奴隷市場がなりたっていたり、という。
 ということで、最近の『ファイブスターストーリーズ』の微妙なリアルっぽさと微妙な救いのなさがさらに深く理解できるアレな話。残念ながら、こっちのこの世にナルミ支隊長はいないし、ソープ君も発生しない。

 …まあ、砂漠に捨てられた奴隷を回収してくれる人がいたということで、ジャコー君はいる模様。
 さて救助された者曰く

"Most times I wonder if Libya is not from this earth."

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