空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

”天皇の謝罪”発言をめぐるメモ

2019-02-20 22:27:18 | ノート


東京スポーツ 玉川徹氏 文議長の問題発言で韓国との断交望むネトウヨに猛反発 2019年02月19日 12時26分

元共同通信の青木理氏は発言の真意について」「「韓国にまだ、天皇行ってないんですよね。だから首相じゃないんだったら、陛下が謝罪に行ってくれれば、だいぶ韓国民とか慰安婦の人たちの気持ちも和らぐんじゃないかという趣旨で言ったらしいんですよ」と説明した

 まあそれなら

慰安婦問題について「天皇が謝罪を」と発言した文議長。政府は謝罪と発言の撤回を求めたものの「盗っ人たけだけしい」と反発

 は、さすがにないわ。

取材生活30年のテレビ朝日・玉川徹氏は」「「日本から見た時、『韓国なんかと付き合わなければいい!』ってネトウヨなんかは言うわけだけど、そういうようなことで日本の未来にどういう未来があるんだと。中国がこれから伸びていく。朝鮮半島は統一されていく。米国はどんどんアジアから引いていく。どうするんですか?」と日本が極東で孤立する可能性に触れ、問題提起した

 別にネトウヨを特段の対象として議論しなくてもいいんじゃないですかね。少なくとも現時点で、極端主義者がさほどの勢力をもつ見込みはなさそうですし。だって立憲民主がいかにある種の候補者をあつめても、支持率はあがりもしないでしょう? 立憲民主方向は頑張っても10%、そのカウンターパートも同程度でしょうよ。

 とはいえ、未来をどう構築するかという問題でもある。

 筋論として、「親の因果が子に報い」という前近代的なことはしない、というのが近現代市民社会の基本方針のはずであり、これを正面から覆すのは難。これはおおむね全世界的な共通了解事項としてよろしかろう。

 次に、うちの国はここ70年以上、天皇の政治利用はしないという大方針でやってきており、隣の国の国会議長が個人的な年来の所感をいったとかなんとかでこの大方針をさくさく揺るがしては、国家の大方針の確からしさにも疑念が付されかねない。

 マズイだろ。天皇は政治に関わらない、という憲法上の位置づけをあっさり放棄しちゃ。九条の戦争放棄・戦力放棄だって、まあなし崩しにしてきたという評価は可能だが、その”なし崩しにする”にしたって延々時間をかけてやってきたんだ。
 ここで隣国の国会議長に阿って大方針をあっさり放棄するなら、じゃあ九条の放棄だってアメリカ大統領の鶴の一声で捨てていいんだな?ということになりかねない。そのくらい軽いものになりかねない。 

 そうそう簡単に譲るわけにはいかんのだ。











 と、まあ、国民感情だの世論の後押しだの、そーゆーのはさておいて、戦後秩序に対する根本的攻撃に対してはかなり強固に抵抗せざるを得ない、というわけだ。戦後民主主義者であればこそ、当然の帰結と思う。




 流石の共産党指導者である。
 なお、本日私のところに来た学生もこの志位発言を評価していた。筋が通っている、と。論理的に一貫している、と。僕もそう思う。



 敬意が最高潮でこの程度なら、右傾化とやらはやっぱりさほどのもんじゃないだろうなーとか。





 まあその…うちとこの今の指導部は、そこそこ建前を重視するようですし…。

 ともあれ。
 文政権の基本的な欲望は、ある種安倍首相(”日本をとりもどす”)と類似するもので、”あるべき韓国をとりもどす”ことなのだろう。”あったはずの韓国をとりもどす””ありえたはずの韓国をとりもどす”でもいいが。どうも後ろ向きで良くないとおもう―が、まあ一般の支持を得るという目的に対して、コストの低い手段ではある。

 まあ、ありがちな政治的欲望ではある。そこらのネット右翼だとか、ちょっと政治に目覚めちゃったファッションリベラルだとかはそんなもんだが、その程度の水準の精神で国政を動かされると民主党政権第一・第二首相みたいなことになるぞと。
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