空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

イェメン:武器弾薬工場の事故は政治問題にも

2011-03-30 17:00:00 | Newsメモ
 承前
 イェメン,Jaarの武器弾薬工場での爆発事故の死亡者は150名ほどに上る模様。初期の情報では78とあったが,行方不明者の数からしてさらに多数に上るみこみ。

BBC Yemeni arms factory blast toll rises amid protests 29 March 2011

 地元民の間には政府に対する怒りがわき上がっているという―米国からの支援を勝ち取ろうと仕組んだものだろう!と。イェメン政府としてはアルカイダの所為にしている。

 日曜,反政府イスラミスト(と推定される)勢力が武器工場を制圧,掠奪。そして放棄した模様。そののち,地域住民が略奪に集まり,何かの拍子で大爆発。煙草が原因かと憶測されるが,実際,こう言う場合は割とそれ。

 反政府政治勢力としては,政府側の撤退が気にくわない。治安維持に責任をとれるのは自分たち政権側だけだ,ということを示すため,敢えて当該工場を無政府状態のままに放置したのだろう!というわけだ。

 政府側としては,アルカイダの仲間連中が(その後の責任も取らず)地域住民を略奪へと駆り立てたのが悪い,と主張する。

 この場合,政府の陰謀を言うのには不確定要素が多すぎるだろう。というのも,早急に武器工場を再確保しなかった怠慢はどうしても非難されるだろうが,放置したからって,周辺住民が略奪に来るだろうことまでは予測できても,ここまでの規模の大爆発をしでかすほどのうっかりさんがいることまでは計算しかねるだろうから。
 これを陰謀だと主張するには,政府側には未来予知能力者がいるのだと主張することにつながりかねない。

Saba Net President, vice president condole Abyan explosion victim families 29 March 2011

 大統領は犠牲者の家族にいたわりの言葉を投げ,また一方で"criminal incident"に責任を求める。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Yemen:Abyanの武器弾薬工場... | トップ | イタリア首相はLampedusa島を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Newsメモ」カテゴリの最新記事