空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

通信社主とその看板プレゼンターの暗殺:ソマリア

2007-08-12 01:38:51 | ソマリア関連
 ソマリア首都モガディシュでは,数時間のうちに2件の襲撃・攻撃があり,二人の報道関係者が暗殺された。一人はラジオ・TV局のオーナーで,他方はその看板プレゼンターである。状況は,この二人が特に狙われて殺害されたことを示唆する。

BBC news, Africa Two journalists killed in Somalia Saturday, 11 August 2007, 15:08 GMT 16:08 UK

 HornAfrik radio and televisionのオーナー,Ali Iman Sharmakeは乗っていた車両が遠隔操作地雷によって爆破され,死亡。彼は自宅から,数時間前に銃撃され死亡した彼のラジオのプレゼンター,Mahad Ahmed Elmiの葬儀に出向くところだった。
 社主なら当然,自社に対する貢献ある人物の葬儀に出向く。その車両のコースも予測がつく。この二人が偶然同じ日,近接した時間にテロに遭ったと考えるのは難しい。Elmi氏銃撃は,いわば撒き餌であって,Sharmake氏の車両コースを予測,これを待ち伏せしたと考えるのが妥当だろう。

 彼自身の死の前に,その同僚を讃えて彼は言った:「Elmiは中立性のシンボルだった」。通勤途中のElmiを二人の銃を持つ男が襲ったのだ。

 なおSharmake氏に同乗のReutersのレポーターSahal Abdulleは軽傷で済んだ由。また,これら攻撃の主体が何かは未だ不明。HornAfrik社はBBC Somaliに関連し,ジャーナリストの中立性に誇りを持っているという。その報道は政府もIslamistsも,等しく怒らせるものであった由。

 あえて想像を逞しくすれば,下手人は寧ろ反政府勢力の人間なのだと思われる。政府側には,もっと穏当な―という表現も奇妙だが―弾圧の方法がある(例:暫定政府軍がRadio Shabelleに停止命令:ソマリア…昨日の記事だ)。
 彼らには焦る理由はそれほどない。"合法的"にことを進めればよいだけだ。極端なことを言えば"誤射"でもいい。
 こうした手段が数ある中,最も単純卑劣,即決のこの手法は,寧ろ反政府側のテロ行為を想起させる。

 といいますか,文民銃殺・道路上爆弾で攻撃ときますと,反政府側の常套手段ですからね。そういう意味では練度が高い人たちですから(そうしたことに不慣れだから内務省閣下も自軍兵士の質について悩むわけで:内務相の嘆きと最近最大の市街戦:ソマリア)。

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