空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

近頃は和平にも戦闘にも氏族主義の影が?

2008-12-15 18:19:22 | ソマリア関連
Garowe Online 'Abdullahi Yusuf cannot impede the Djibouti Agreement': Sheikh Sharif
11 Dec 2008

 Sheikh Sharif(ARSジブチ派首領)は,Yusufはジブチ合意を妨げないよう求める。Yusufが自分の部族からジブチ合意へ代表団を出したいなら止めはしないが,しかし彼はAhmed Abdisalam(閣僚)を既に出しているではないか? ジブチ合意は単立の部族(同士)の和平交渉なのではないぞ,全ソマリ人の和平なのだ!と主張する。

 尤も,確かにジブチ合意のままだと,議員の数的に部族間の均衡は崩れるのでしょうけど。

 またSheikh Sharifはイスラミストゲリラに,エチオピア軍の円滑な撤退を妨げないため,彼らに攻撃しないよう求める。ですが:

Garowe Online 20 feared dead in clashes between Ethiopian soldiers, insurgents Dec 13, 2008

 好き好んで戦争してるようでしてね。過激イスラミストたちは。
 喧嘩相手が勝ち逃げするなんて許せないんでしょう。
 問題は民間人被害者も増えようということで,上掲記事にはnomadsが虐殺された疑いがある(,そして下手人はEthiopiansだろうと思われると仄めかす),言及があります。

 こうしたエチオピア軍に対する敵対行動は,ARSエリトリア派とアルシャバブのほうに責任が負わせられるべきですが,…最近,ARSエリトリア派(に近い)現地組は大人の判断を示してる気がせんでもない。アブドゥルカディルとか。

 問題行動は恐らくアルシャバブ(「青年」党)に多いはずでして:

Garowe Online Somali opposition group warns against 'war among Islamists' Dec 12, 2008

 ARSエリトリア派がお怒り。エチオピア軍が居ないところで地元政権を転覆させるのはどうだろうね!と非難するのですが,ぶっちゃけアルシャバブが支配地域を広げつつあるのがお気に召さないご様子。とりわけソマリア中央Galgadud県でアルシャバブが伸張したのがマズイというお話―なにしろ,そこはAweysの地盤ですので。

 以上,嘗ては対エチオピア国民戦線っぽく見えたかもしれないソマリア反政府・反エチオピア闘争ですが,最近はめっきり氏族間闘争の色を濃くしつつある様子。YusufはDarodの利益を,Aweysは自氏族への影響力を考慮していますね,どうも。
 もはや各個の行動原理がばらばらで読み難くなり,ニュースを追うのも一苦労。数ヶ月前にキスマユあたりで『エチオピアひいてはアメリカに対する闘争をー!』とか言ってたような気がしますが,それも遠き日の幻の雰囲気です。南部で延々おっかけっこしてるっぽいし。

 最後,記事のみメモ:Garowe Online Somalia: Ethiopia troops withdraw from Hiran region, again 11 Dec 2008
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