私だったらということで必ずしも一般性は主張しないが、署名用紙を授業内で配布することまでは認めても絶対にその場で回収はさせない。教室の外だろうがダメ。要は教室という権力的空間から十分に切り離されてなお自分にその意思があるかどうか再考する機会を学生に保障しなくてはならないということ。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2014, 1月 15
端的に言えば、授業とは教室という権力装置を用いたマイルドな洗脳に他ならない。それが許容されるのは、授業外の時間を学生が豊富に持っていることによって自律的に思考し・授業の内容を相対化することができるから。インターバルを与えずに授業内でdecisiveなことをさせるのは本当に危ない。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2014, 1月 15
参考資料:
立命館大学 授業内における学生団体の要請活動への本学嘱託講師の対応について(2014年1月15日)
前略「2013年12月13日、本学嘱託講師が、授業において朝鮮学校無償化に対するアピールをさせて欲しいとの受講生からの要望を受け、当該受講生が所属する学生団体による説明、嘆願書の配布、回収を許可しました。その際、同講師は嘆願書への署名は任意であること、署名と成績とは無関係であること、そして嘆願書は署名の有無に拘わらず学生団体の担当者が回収することを、受講生に対しアナウンスをしました。なお、学生団体の担当者が回収したため、同講師は嘆願書の提出者や記入内容については関知しておりません。
しかしながら、結果として受講生に同講師が嘆願書への署名を求めたかのような誤解を与えてしまいました。このことは、大学として不適切であったと考え、講師に対し、指導を行いました。なお、受講生に対しては、授業内において改めて説明いたします」後略
そんなわけで,おおや先生の纏めは(教員側の心構えと言う観点から)妥当,穏当。私なら,教室内配布にも強硬に反対すると思うが。私なら全権委任法に対する反対署名でさえ,私は,教室内ではさせないと思う(民主主義に対する絶対的絶望的な敵対行動である,諸君,私と共に立ち上がれ,くらいは言っちゃうとは思う)。
まあ同業者としては,感想は「脇が甘いよね」であろう:
@kozawa 気持ちはわかるので「何か一言かけてやってください」と言われれば「お気の毒でしたねえ、気を強くお持ちなさい」くらいのことは言ったと思うのですが(とはいえ身内だったら「脇が甘い」と叱るケースだよなとも思い)、ああ出られるとまあこうなるという感じです。個人的には。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2014, 1月 16
もちろん,職を賭しても行うべき正義だと確信しての行動だろうから(でなくてやったというなら,単にアレなだけだ),まあよろしいんじゃないでしょうか。そこは個人の自由に属することでしょうから。
―講義を受けた学生さんたちが,この講師さんに与するようになるか,敵対的になるかは,それは可能性としては半々でしょう(そこは腕の見せ所でしょう)しね。
なお,「在日朝鮮人学生団体に見る「祖国」意識――1960~70年代を中心に」なる科研費・若手B研究を進めているそう。この3月31日で終了予定であり,纏めに時間をかけたいこの時期に大騒動になったことは,同業者として同情する(あからさまに拙そうなことに関与するな,という視点もあるが)。
若手研究とれてて,羨ましいなあと思うが,彼女の名前で出ている論文は2000年11月の「座談会:韓国文化研究会って何? (特集 ジェンダーとナショナリティー)(季報唯物論研究 24(秋) (74), 74-89)」がCinii内最古である。
初手から座談会というのはどうか。
いや,筆頭著者にしてあげて業績をふやして売り出してあげようという,指導教員の親心かもしれないが。
ともあれ,「yuiken交差点 「つくる会」教科書を批判してみて--在日朝鮮人/女性/(十年前の)中学生の視点から(季報唯物論研究 (78), 161-165,179, 2001-11)」なんてものもあり―
…ええっと。この「十年前の中学生」が当人を指しているのだとすると,2001年のこの報告は(修論を焼き直した,または修論に発展させる内容の)デビュー前後の作品と思われる。
ということは…そろそろ若手Bに応募できなくなるお年頃(前後)で…。
…まあ,頑張れ,としか。
テーマ的にはよい(生産性が高そうな)分野のようで,激戦区でしょうけど―研究業績で生きていくには,もっと頑張るべきかなあ,とは。
まー『インパクション』や『金曜日』に書いているようなので,そこあたりが原稿料を出してくれるんじゃないでしょうか。私は原稿料と縁のない研究生活をしているので,わかりませんが。
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